福本さん作品 夢

□私の女子力は…
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「店長〜ティッシュないですか?ティッシュ」

「無い。買い置き無いのか?」

「無いんですよ〜。今買いに行ってもらってるんですが」

「…ティッシュじゃないと駄目なのか?」

「できればティッシュがよかったんですが…」



バックをガサゴソ漁って探したけどティッシュは無く。


どうすっかな…この顔で店出らんないよ。
早く帰ってきて〜。



そんな私の独り言が聞こえたらしく、爪のお手入れに夢中だった店長が私に振り返った。



「お前…」



…やめろ。そんな顔で私を見るんじゃない。



私の口の端にはチョコが。
先程おやつにチョコ入りクロワッサンを食した際に付着したものと思われる。



「ガキか。女なんだからティッシュくらい持っとけよ」



心底呆れ返ってます。
というわざとらしい溜息も様になってしまう嫌みな店長。
無駄に爪を光らせやがって。



「どうせ店長よりも女子力ないですよ〜」

「女子って…」

「あ、休憩あがります」



誰かティッシュ持ってないかな?最悪ハンカチでいいや。



「おい」

「へい」



事務所を出て行こうとしたら店長に呼び止められ
振り返ると、私の返答が気に入らなかったのか不服そうな顔をしている店長が立っていた。

かと思ったら店長が近づいてきて

ぺろっ

と口の端を舐められた。



「確かにお前より女子力は高いだろうが…

男ですが何か?」



ニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる店長に
顔を赤くしているであろう私。

何をしても店長に勝てる気がしない。



…それもムカツクので
後で村上さんに

「店長にセクハラされた!」

と涙ながらに訴えておこうと思いました。









2013/5/20















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