レインユー

□なつゆきみぞれ
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それは、とても晴れた空。
それは、とても澄んだ青。

俺の隣には間違いなくお前が居て、笑っていて。
なあそうだろう、夢、なんかじゃなかった筈だ。
一時間前まで、お前は笑ってた。
馬鹿みたいに俺の事を好きだって。
返事は要らないって、そうはぐらかして。




「嘘だろ?」


白くて白過ぎて何も見えないんだ。
俺の手から滑り落ちたそれはあまりにも重いんだよ独りじゃ耐えらんねえよ。
笑えよ、どんなことでもするから。
…馬鹿みたいに好きだって言ってくれ。


<一護、好きだよ。
貴方がわたしを見ていなくたって、何処へ行ったって>


蘇る声。
知ってた、つもりだった。俺だって、なあ。

くるくるくる。
はらはらはら。

花と雨、それと何か。
俺の天を隠してゆく、別れが近いんだろう。
なあ、好きな気持ち、どうしてお前には伝わってなかったんだろう。
嗚呼こんなにも、止まらない。
赤と青と白と黒。


美し過ぎて、目眩がした。
そんな夏の日。日暮らしの声。









たいせつなものは あのひ きえてしまった
きせつはめぐらず そのままで えいえんに

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