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「クラトスさんっ!」


もっと必死に走っていたら間に合ったんだろうか。
もっと早く呪文を詠唱していたらクラトスさんは怪我をしなかったんだろうか。



声変わりもしていない、幼い僕。
子供らしくいて欲しいと頭を撫でられたあの時、どうしてだか悔しかった。
今なら分かる、分かってしまった。


「私は大丈夫だ、だからあまり泣くな。
子供に泣かれるのは、私も辛い」


横たわり、笑うクラトスさん。
腕や胸には包帯が巻かれていて痛々しい。


「お前が傷つくより余程良い、だからもう泣くな」


そんな馬鹿な事を言うから余計涙が出る。
僕はまだまだ小さくて、クラトスさんよりずっと弱い。
でも守りたい、これからずっと、長い寿命が終わるまで。
これはきっと親の様に慕う気持ちじゃない、ロイドやゼロスがクラトスさんに持ってる気持ちと一緒だ。

……僕はプレセアが好きだったんだけどなぁ。


「ジーニアス、どうかしたか?」


また優しく頭を撫でて笑ってくれる。
それが子供を可愛がっているだけの仕草だと分かってても、顔は赤くなった。


「今度はぜっっったい!僕がクラトスさんを守るよ!」


真っ赤な顔を隠したくてクラトスさんに抱きつく。
泣いてるし、好きな人に見せられる顔じゃないしね。

その言葉を聞いたクラトスさんは優しく、抱き締めてくれた。
あたたかく、春のような両腕で。







「……おいロイドくーん、すっごい強敵だぜ、ありゃ。
子供って武器全開じゃないの。
まぁ子供だから手は出さないと思うけど、でもなぁーやりようはあるからなぁ」


「あーもうこれ以上ライバル増えたらどうしたら良いんだよ!
クラトスと何時になったらにゃんにゃん出来るんだよー!」


外でロイドとゼロスが涙目でこっちを見てたのは、気付かないふりをした。
だってクラトスさんかなりひいてたからね!















おわり!









ジニクラも良いかもしれない…健全な感じが良いです。

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