拍手
□03
1ページ/1ページ
**ミトクラ**
この世界が憎い。
だから壊した、当然だと思った。
何もかもを搾取し蹂躙する、そのくらいの権利あると思った。
姉様、ユアン、クラトス。
なんで皆悲しい顔をしているの。
間違ってなんかいない、そうでしょう?
呼吸が上手く出来ない。
ただ全ての記憶が走馬灯の様に巡る。
なんだかんだで楽しい旅だったな。
あんな終わりじゃなかったら最高だった。
あれからもうたくさんの時が過ぎたんだね。
誰も届かない高みに、もう戻れないところまで。
「くら、とす」
真っ赤に染まる。
けれど怖くない。伝わるぬくもりがある、心がある。
どうして忘れていたんだろう。
こんな簡単なこと、昔の僕ならすぐに分かったこと。
「ありがと」
大切な人が間違った事をしたら、止めてあげる。
当然だよね。
「もし僕が間違ったことしたら、クラトス、止めてね?」
「当たり前だ、どんなに長い時間がかかっても止める」
「クラトスが居たら安心だね!」
「ああ……そうだな」
罪も孤独も、全部引き受けよう。
今度こそ幸せな夢を見れるように。
end
好きですミトクラ!笑