拍手

□05
1ページ/1ページ





暗い。
光も何も見えず、ただ過ぎていく時間に身を委ねていた。
美しい姿を何度も思い返す。
鮮やかな色彩に埋もれる姿。

運命、と。
彼は笑った。儚く白い手。ただ、ただ。



「アンタはほんとに馬鹿だよ」

「まぁ僕の方がもっと馬鹿だけどね」

少年は剣を抜く。
苦悩に歪む、五人を見据えて。
ガイの命を奪った人間たち。勝てないのは分かっている。

勝ちたいんじゃない。
そう言ったらアンタは笑うだろうか?
人のこと、言えないだろってあの笑顔で笑ってくれるだろうか。


大切?これ以上罪を重ねさせないため?だから殺した?
それは正義?命を奪うことは等しき罪。
ならば彼らにも罰はあって然るべき。
だけれど世界は彼らを許し、愛すのだろう、僕らを置いて。


生み出されてしまった僕を闇に屠る、歪な世界。
アンタは笑うだろうか、それだけが気がかり。








勝ちたいんじゃない。
このままで、共に消えたかった。







end











シンクとガイ様続編で完結。なんかシンク好きだ…!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ