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暗い。
光も何も見えず、ただ過ぎていく時間に身を委ねていた。
美しい姿を何度も思い返す。
鮮やかな色彩に埋もれる姿。
運命、と。
彼は笑った。儚く白い手。ただ、ただ。
「アンタはほんとに馬鹿だよ」
「まぁ僕の方がもっと馬鹿だけどね」
少年は剣を抜く。
苦悩に歪む、五人を見据えて。
ガイの命を奪った人間たち。勝てないのは分かっている。
勝ちたいんじゃない。
そう言ったらアンタは笑うだろうか?
人のこと、言えないだろってあの笑顔で笑ってくれるだろうか。
大切?これ以上罪を重ねさせないため?だから殺した?
それは正義?命を奪うことは等しき罪。
ならば彼らにも罰はあって然るべき。
だけれど世界は彼らを許し、愛すのだろう、僕らを置いて。
生み出されてしまった僕を闇に屠る、歪な世界。
アンタは笑うだろうか、それだけが気がかり。
勝ちたいんじゃない。
このままで、共に消えたかった。
end
シンクとガイ様続編で完結。なんかシンク好きだ…!