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「たとえば俺が剣を握れなくなったとして、そこに俺の価値はあるんだろうか?」


雪が反射する夜。
涙のかわりに降りしきる白。
銀色に輝く世界と、ただぼんやりと世界を見る青年。


「たとえば俺が居なくなったとして、それは誰かの心に残ることなんだろうか?」


残光がちらちらと視界に入って目障りで。
ジェイドはガイの後ろでただその台詞に聴き入っている。

宵闇は彼の悲しみを上手に隠してしまう。
ずっと誰もそれに気付いてやれなかった。

彼の瞳から消えていく光は、きっと生きるために必要なもので。
失われたらもう二度と取り戻せない。弱々しい、悲しみを孕んだ光。
それでも私は貴方に生きていて欲しい。
そう、軽々と口にすることが出来たら良かったのに。

もっと早く。もっと深く分かり合えていたら。
もっともっと愛してあげられた、はずなのに。


「俺はもう分からないんだ。
それでもジェイドは俺のことを分かるって言うのかい?」

自分でも分からないのに?
他人のアンタが軽々しく口に出来るものだと思っているの?




「私には、きっともう遅すぎたのでしょうね」


白。それだけ。
それだけで彼の心は誰よりも深淵にある。


ああ、その後ろ姿はもう取り戻せない光そのもの。

















end


ガイってジェイドのこと何て呼んでるのか分からなくなる…旦那?ジェイド?あれ?

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