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□ラストワァズ
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「やっぱり此処が一番綺麗だ」

居ない世界で、また季節が過ぎた。

見渡す限りの海と、踏み締めるホドの大地。
咲き乱れるのはガイラルディアの花。

誰も居ない。
それで構わなかった。

亡骸の無い墓。刻まれた名は、他人から見たら嫌悪と恐怖なのだろう。

世界を変える為に世界と戦った人。

俺だけを守ってくれた人。
俺だけを愛してくれた人。
裏切りを許してくれた人。

この世界で一番大切な人。
それなのに。

最期に微笑んでくれた。
もうお前は死んでしまうのに、最期まで俺の未来を思ってくれて。


「早いよな、もうあれから一年も経った。
正直……早すぎてついていけないんだ」

ガイは大地に咲く白い花を見つめ自嘲する。
返事など返ってくるはずも無く、また痛くなった。




すぐに分かったよ。
あの時、お前がわざと力を抜いて斬られたこと。

本当は殺して欲しかった。
そう言ったら怒るんだろうなぁ。


「お前は何時も俺が生まれて来てくれて嬉しいって言ってくれてたけど、今日またその日を迎えたこと……喜んでくれるのか?」


平和だった頃。
たくさんのプレゼントとケーキ。
たくさんの祝いの言葉。
幸せだった、これから先ずっとそうだと勝手に思っていたんだよ。

馬鹿みたいに溢れ出す涙は止まりそうにない。
優しく拭って欲しい。
また子供みたいに泣きじゃくるから、困った様に慰めて欲しい。

ごめん、ごめんなさい。
俺だけが生き残ってしまって、本当はお前が生きるべきだったのに。
幸せになるべきなのはお前なのに。


「ヴァンデスデルカ、俺、どうしたら良い?」

同じ場所にいけるなら喜んでこの命を捨てる。
けれど、最期に言われた言葉がずっと消えない。




〈私の分まで生きて欲しい。
幸せになって欲しい。
どうかガイラルディア様、私の最期の願い……聞き入れてはくれませんか?〉


何時まで生きれば良い?
ヴァンデスデルカの望む幸せは何処から?
分からない。もう、分からないよ。


それでも、生きなくちゃ。
辛くても苦しくてもヴァンデスデルカが望むなら。

死を望んで、人形になってしまっても。


「……また来るよ」


美しい花びらが太陽に負けて散ろうとしている。

それも運命。
たかが運命。










だからガイは気付かないふりをした。

彼にはもうどうでも良いことだったから。

















end











ガイ様はぴば!
愛はあるんだが幸せにはあまりならない…ヴァン先生相手だと余計に(´・ω・`)
ヴァン先生の遺言に囚われ続ける病みガイ様…みたいな。

とにかくはぴば!

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