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□ハピネス
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ざわざわ。
音が聴こえる。

くすくす。
笑い声が聴こえる。

あああ。
悲鳴だけが聴こえる。







誰がアンタを憎んだって、
誰がアンタの存在を否定したって構わない。


だから何だと言うの?
間違いなんて誰が決めたの。
その道は絶対何よりも正しい。

だって、アンタの言うことだから。
アンタの願うことだから。








「ボクはアンタが好きだよ」


小さくガイにだけ聞こえる様に。
この胸にある真実、変わらない想い。
お互いに刺さる痛み。
ガイの仲間から見れば相討ちに見えるんだろう。
オマエラは蒼白な顔で固まっている。


でも本当はね、気分が良いから特別に教えてあげる。
これはずっとずっと計画されていた最期。

オマエラに傷をつけたくて仕方無かった、オマエラの大切な仲間のガイが考えた罠。

ガイは笑っている。
ああ胸が痛い。これは刺されてるから?それとも刺してるから?


「必要とされない者同士心中するのも、まぁ悪くないよな」


相変わらず可愛くない。でも可愛い。
末期だよね、実際もうすぐ死ぬけどさ。


「……ボク結構幸せかも。
何か良い人生だった気までしてきたよ」


もっと深く剣を突き刺せる様に片腕でガイの背を抱く。
そうすると当然ガイの剣もボクの胸に深く刺さる。


痛い。
苦しい。
でも幸せ。


「それは良かった。
……俺も最期がシンクとで人生差し引きゼロくらいにはなってる、かな」


ほんとの最期でこんな台詞、こんな笑顔、そりゃ皆騙されるよね。
え、誉めてるよ?当然じゃない。
あ、その拗ねた顔良いと思うよ?

悪趣味、とアンタはまた笑った。


外野が何か叫んでる。
けれどもう何も聞こえない。
聞く気にもなれないけどね。





好き、大好き。
アンタの道は正しい。
誰を犠牲にしたって叶えたかった、だから幸せ。


お互いあんまり良い生き方してないから天国には行けないだろうけど。


まぁ良いよね二人なら地獄でも。







最期の時にキスなんて、
幸せ過ぎて泣いちゃうよ。















end















お互いヤンデル!私は好みです。
お互い幸せな二人を書いたつもりだったんですすみません。

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