セイギの声が消えるころ

□永遠回帰
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一度だけ触れ合った指先、嘲る声。
綺麗な星、満天の宝石たちを眺める視界、触れ合わなかった唇。

今度など無いと知っていた。
それでも出来なかった願えなかったそれぞれの生。


「生は死をもって完成される、らしい」

その言葉を聞きながら伏せられた瞳を見ようとしたけれど、もう遅い。
あの綺麗な作り笑いの、近い過去未来足りないのは現在だけなのに。
凪ぐ風すら邪魔で、一秒を惜しみ、振り返らない影。


廻るのは世界だけ。組み込まれない、小さな命と命。
交互に組まれた十本の指はちょっとの力じゃ全然動かない。
それは仲間たちのどうでも良い優しさ?
自嘲する。僕はそれにすら劣っていたと言うこと?





「似合わない、それ、似合わない」


手向けられた白い花を力一杯踏み躙る。
ああもう誰にこの怒りをぶつけろって言うんだ。
苛々イライラいらいら、あああああ。
掻きむしるこの手も髪もどうせ作り物なのにさぁ心だって、こんな感情だって、偽物で。ねえってば!返事してよ!

どうすれば良かったの、じゃあ、どうしたらアンタは幸せになれたの?
僕だけ見ててよ僕だけで良いじゃない僕が死んだら一緒に消えてそれじゃ駄目なの?
我が儘?自分勝手?だからなに?

誰も分からない、分かって欲しくもない。
ずっとずっと一緒に居たかったんだよ、それだけだよ。

どうして先に逝くの、ずるい。
その悲しみも苦しみももしかしたらあった喜びも僕に分けてくれないままじゃない。
逃がさない離さないどこまででも追い掛けるよ、死んだ後に行き着く世界がバラバラでも関係ない。



「シンク、」
聞こえるはずのない声と、

「好きだよ」
都合の良い夢。

夢で幸せだから良いのかな?
「夢じゃないさ」

真っ赤な生、綺麗でしょ。
アンタの為に生まれてきたんだ、きっと、絶対。
もちろんアンタは僕の為に生まれて、そして死んだ。
「はは、相変わらずだな」

相思相愛、ってことでこっちの世界の物語を終わらせようかな。
「……そうか」

お疲れ様。
「ありがとう、シンクも、お疲れ」












永遠は永遠。
だからもう離さない。


















end




シンクはヤンデレ!

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