原作沿い連載

□プロローグ
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・!」






オレは走った・・・





月が綺麗な夜に



こんなに走ったのはあれ以来だ・・・




あの時も、月が綺麗だったな・・・。








プロローグ









ー約7年前ー


ある日、おじいちゃんとおばあちゃんが殺された。


ある日突然家はボロボロに焼けた。
お父さんは火事に巻きこまれた

私とお母さんは町はずれに逃げ込んだ。


“なまえ・・・、あなたはこれから男の子として生きるのです”


そう言いながら私の髪の毛を切るお母さん・・・。


“どうして?私は女の子だよ?”


“ごめんね・・・あなたのおじいちゃんとおばあちゃんはね

マフィアのボスなのよ・・・”


“まふぃ・・・あ?”


“おじいちゃんとおばあちゃんはね、
悪いマフィアに殺されちゃったの。”


“えっ・・・?”


“このままだと、なまえも殺されちゃうわ
でもね、悪いマフィアたちはあなたの顔をしらない
女の子という情報しか知らないの。
だから、・・・あなたはこれから男の子として生きるのよ”


“おかあさん・・・”


“きっと、もうお母さんと会えるのもこれで最後。
解ったわね?なまえ・・・!
あなただけでない。敵にあなたの正体がばれれば
これからあなたとかかわった人すべてが殺されるわ・・・”


“・・・そんなのいやだ・・・おかあさん、行かないで!”


“だめ。お母さんは敵に素性を知られているの。
いい子ね。なまえ、しっかりやるのよ”


すると、お母さんの後ろから足音が聞こえた。
多分敵だ。


“走って!なまえ!!!”


“−−っ!!”


涙を流して走った。

足は痛かった。

でも、お母さんの言う事きかなくちゃいけない。


“お母さん・・・!”




走ってたどりついた先、
行くところなんてなかった。

だから、地元の警察に孤児院に入れられた。



“名前は、何て言うの?”


孤児院の人に名前を聞かれてとっさに言った


“俺は・・・みょうじなまえ”


決心を決めた。

俺は今日から男。

絶対誰にもばれないようにする。


そう、お母さんと約束したから・・・!


でも、孤児院はつらかった。
孤児院の職員は俺たちの事人って思ってなかった。

ただの、動物だった。

やさしい人なんて誰もいなかった。

ただのストレス発散の道具にされた。


周りにいた子たちはどんどんいなくなった。


夜は寝れなかった。




「こんなとこもう御免だ・・・!」




抜けだそう。孤児院を
そして、ちゃんと取り戻そう自分の生活を

自分の人生を・・・!


男になり済ましているのには変わりないけど

このままじゃ、マフィアじゃなくて、
こいつらに俺は殺されちまう!



「あばよ!孤児院!」


母さんが持たせてくれた通帳を握りしめた。

あのときはどうすればいいかわからなかったけど

今ならなんとかなる・・・


あれから7年。
今年から普通なら中学だろ。

部屋さえ借りれれば何とでもなる。
つか、何とかしてやる・・!




月が綺麗な夜、


俺は孤児院を脱走した。




 
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