家庭教師 夢

□前髪王子の可愛い後輩
2ページ/6ページ















「ちょっとベル。」

「あ?マーモンかよ。」


そんな俺のところに突然現れたのは
マーモンだった。


「ちょっと最近、うさぎのこと
使いすぎなんじゃない?」

「あん?」


「うさぎ、昨日も徹夜してたよ?
誰かさんが仕事押し付けたから。」

「ししし、嫌なら断ればいいんだ。」

「うさぎがそんなことするわけないだろ?」


・・・うさぎは、ヴァリアーに居るには
すこし心が優し過ぎた。




俺が無茶な命令しても
文句のひとつも言わずに
いつも完璧にこなしてみせる。




「ま、僕の部下じゃないからいいんだけど、
あんまりこき使うと再起不能になるよ?」


「ししし、そんなやわだったら
今頃死んでるっつーの。」


「まったく。でももともとうさぎは
好きで戦ってるんじゃないから
やっぱりストレスはあるはずだよ
ベルと違ってね。」




前に聞いた話では本当は戦闘員じゃなくて
世話係とか雑用係になりたかったらしい。


しかし、ロン毛の作戦隊長が
ちょっと炎の使い方がうまいうさぎに
戦い方を教えたら、才能開花しちまって
今ではヴァリアーの雲の守護者。



「まぁ、僕からの警告はこれで終わり。
あんまりうさぎをこき使わないでね。

僕がうさぎと遊ぶ時間がなくなるだろ?」



「ししし、マーモンテメェ
そんなにうさぎがお気に入りかよ。」


「うさぎはかわいいし、面白いし、
イジりがいがあるからね・・・。
僕の退屈しのぎにはもってこいなんだ。

それに、お気に入りなのはベルも同じだろ?」



マーモンの言葉に、前髪で見えない眉が
ぴくりと動いた。

確かにうさぎは俺のお気に入り。
お気に入りどころか、思いっきり片思いだ。

ししし、王子が片思いとか
めちゃめちゃカッコ悪くね?


「まったく、たまにはうさぎに素直になりなよ。」




そう言うとマーモンは幻覚で
どこかに消えてしまった。



「ったく、余計なお世話だっての。」

俺はそうつぶやいて部屋に戻っていった。











 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ