家庭教師 夢

□君の笑顔はいつだって
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雲雀恭弥には最近お気に入りの女の子がいた。



暁うさぎだ。





そんなうさぎを無理やり風紀委員に連れ込み

毎日彼女をそばに置いてる雲雀だった。






「ねぇうさぎ?」


「はい?」


「お茶入れてくれない?」


「いいですよー」




うさぎは雲雀に微笑むと
慣れた手つきで雲雀にお茶を入れる。



「どうぞ。」


「キミ、お茶入れるのうまいね。」


「え・・・?」


「草壁のと比べるとはるかに美味しいよ。
だから評価に値するよ・・・」



「ありがとうございます///」




うさぎは褒められた喜びからか
顔を赤くして雲雀にお礼を言った。




・・・最近うさぎは雲雀に何かの感情を抱いていた。



最初、そうプリントを突然運んでもらうのを手伝ってもらったとき、


とてもこわくてこわくてたまらなかった。




しかし今は違った。




あの時とは違う感情が芽生えていた。






(雲雀さんって、意外とやさしいし、
寝てる顔可愛いんだよね・・・)








そんなある日のことだった。







「暁さん!」


「ん?」


「お話があるんですけど、いいですか?」



隣のクラスの男子生徒だろうか・・・?



昼休み、応接室に行こうとしたうさぎは
知らない男子生徒に呼び止められたのだった。



「なんですか?話って・・・」


「あの、放課後・・・改めて話したいので、
体育館倉庫の裏に来てくれませんか?」


「え?いいですよ?」






そう言ってその場は別れた二人だったが、
うさぎは今話せばいいのになと、
疑問におもっていたのだった。



「しつれーします。」

「あ、うさぎかい。」


「あの、雲雀さん・・・」

「ん?」


「放課後委員会少し遅れそうなんですけど
いいですか・・・?」




うさぎがそう言うと、雲雀が眉をぴくりと動かす。



「どうしてだい?掃除当番でも入ったのかい?」

「ちがうんです・・・なんだか
放課後話がした行って多分、
隣のクラスの男の子なんですけど・・・」



その言葉に雲雀はこんどはますます険しい顔つきをする。




「駄目。行っちゃダメ。」


「え?」


「キミ、気づかないのかい?」


「なにがですか?」


「その男子生徒が君に何を話したいか」


「・・・分かりません・・・」



雲雀はうさぎの一言にはーっとため息をついた。




「キミ、鈍感なんだね?」



「え?」




「その男子生徒、きっとうさぎに“好き”って
告白しようとしてるんだと思うよ?」





二人の間に沈黙が走った。






「それはないですよ〜・・・
だって私その人のことなんにも知らないわけですし・・・」


「それでもダメ。うさぎが誰かのモノになるの
僕は我慢できない。」


「ふへ?」





雲雀はそう言うと、うさぎの体をぎゅっと抱き寄せた。





「言うのが遅くなっちゃったけど・・・、

僕どうやら君を愛してるみたいなんだ。」


「え?・・・雲雀さんが私を?」



うさぎの心臓がドクンとはねた。



雲雀の“愛してる”という言葉が

最近自分が雲雀へ寄せている思いに
ピッタリと重なったように感じた・・・。




「そうだよ。最初は面白い子・・・くらいだったけど、
毎日キミの笑顔みてたらどんどん惹かれてったよ。

僕は君を好きなんだ・・・・
で?うさぎは僕のことどうなの?」



「私は・・・私も・・・すき、です」



うさぎがそういった瞬間

雲雀の唇がうさぎの唇を覆った。




「っ・・・///」


「クス・・・うさぎ可愛い・・・
これからもずっと僕のそばにいてよね・・・」


「はい・・・」






そう言って笑ううさぎ。




その笑顔に雲雀はたまらなくいとおしさを感じた。






「不思議だね。あの時もそうだった



初めて君の笑顔に吸い込まれそうになったとき


僕の心臓は締め付けられるように苦しかったんだよ?」





















君の笑顔はいつだって








(僕の心を揺らすんだ・・・)































―――放課後・・・





「暁サン、僕・・・君のことが」


「おっとダメだよ」


「な!?」




うさぎに告白しようとした男子生徒の前に
雲雀が立ちはだかる。



「キミ、僕の可愛いうさぎに何してるの?」

「え!?」


「キミ、噛み殺す。」







うさぎにゾッコンな雲雀の噂は
たちまち全校の噂になってしまったのであった。





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