家庭教師 夢

□第3話
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うさぎがお皿を片付けていると、

いきなり手をぐいっと引かれた。



うさぎ「きゃっ!」



ガチャン!!


ガシャン!!



手にもっていたガラスが割れ、

当たりに散らばる。




うさぎ「誰・・・ですか?」


そっと自分を引っ張った主を見ようと顔を挙げた。



そこには、



うさぎ「ジル・・・様?」


ジル「・・・」


ジルは、明らかに機嫌が悪そうにそこに立っていた。



うさぎ「あの、何か御用でしょうか?」


ジル「気に入らねー」


うさぎ「え?」


ジル「何で、・・・なんでてめぇはベルとばっかり」


うさぎ「ベル様?」


ジル「お前オレら2人の召使だろ?
なんでベルとばっかり一緒にいるんだよ!

なんでベルが1番なんだ!!!」


うさぎは、訳が分からなかった。


今まで散々自分を邪険にしてきたジルに
どうしてそんなことを言われているのだろう・・・。



ジル「いつも、いつも、むかつく!!」


ジルはそう言い放つと、いきなりうさぎを押し倒した。


うさぎ「っ!?」


そしてどこからかナイフを取り出した。


うさぎ「ぁ・・・ジル様。おやめください・・・」


ジル「ししし、昨日ベルと投げ合ったナイフ
あってラッキー。」


そしてジルは楽しそうにそのナイフをうさぎの頬に当てた。



うさぎ「きゃ・・・」


ジル「動くなよ。動くとお前真っ赤。」


うさぎ「っ・・・助けて・・・ベル様」



弱々しい声で紡がれた言葉がベルの名前



ジル「カチーン」




そう言うとジルのナイフがうさぎの頬に

ツーーーっと滑っていった。



うさぎ「っ・・・っっ・・・・!!」


傷口から、赤い液体が流れる。



ジル「ししししし、いい眺め♪
お前よく見たらイイ女だよな。」


うさぎは声もなく泣いていた。



ジル「ベルになんか渡さねー。」





そう囁いた目の前の王子は

うさぎには悪魔にしか見えなかった。





Essere continuato

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