家庭教師 夢

□第7話
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その頃うさぎは屋根裏部屋のそうじをしていた。




他の部屋とは違い城の頂上にあり

そこに行くのには長い長い階段を登らなければいけない。


だから他の召使はそこのそうじをしたくないので
幼いうさぎに押し付けたのだ。




うさぎ「よし、終わった。」


うさぎがちょうどそうじを終えたところだった。








「きゃぁぁぁぁぁ!!」


うさぎ「!」


誰かが悲鳴を上げていたのが聞こえる。


うさぎ「?・・・ネズミでもいたのかな?」


最初はその程度のことだと思ったうさぎ

しかし、


「ぎゃぁぁぁぁ!」

「ああああああ!!」

「助けいやぁぁぁぁ!!」




次々に聞こえてくる悲惨な悲鳴。



うさぎ「何が?まさか王を狙って刺客!?」


“刺客”という言葉がうさぎの頭によぎった瞬間

うさぎの頭の中にはベルの顔が思い浮かぶのだった。



もちろん今のベルはうさぎの事は記憶がない

しかし、うさぎにとってベルは今でも大切な人。


失いたくない人


うさぎ「ベル様!!」


うさぎはいてもたってもいられずに

その場をそのままにして走って行った





長い階段を降りると、



うさぎ「え・・・」





そこはまるで血の海



うさぎ「オルゲルト様!」


オルゲルト「・・・」


うさぎ「・・・亡くなって・・・っ」



うさぎは辺りも見渡す。

どこもかしこも遺体。



うさぎ「先輩っ・・・」

「・・・」

うさぎ「どうして・・・誰が?
ベル様・・・!どうか無事でいてください」



うさぎはそう呟きながらベルとジルのいた子供部屋に行く。



うさぎ「あ・・・ジル様!?」



そこにはジルがめった刺しにされて倒れていた。



うさぎ「ジル様!ジル様!しっかりしてくださいませ!!!」


しかし、ジルからの返事はない。


うさぎ「っ・・・」


とうとうこらえてきた涙が流れた。


うさぎ「ベル様・・・ベル様!」


ベルを探し、うさぎは城を走り回った。


王室に入ると、


うさぎ「旦那様!奥様!」


そこには無残に倒れている王と妃。



うさぎ「っ・・・!」



うさぎはそばにあった毛布をふたりにそっとかけ、

ベルを探しにまた走るのだった。











 

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