かん×むつ
□プロローグ
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クラスメイトに良く言われること
「なんか影が薄い」
確かに目立つ方では無いが、こういうのは自分でも多少思っているもので、実際に言われると結構心に来るものだ。
辺りは陽も傾きオレンジの明かりが満ちている。
いつもと同じ学校から家への帰り道、どこかへ寄り道するでもなく真っ直ぐ家へと向かう
『影が薄い』この言葉を思い出すと思わずため息が漏れる。
確かにクラスメイト達との会話で中心になって話すことは少ない、どちらかと言えば聞きに徹してツッコミを入れるタイプの人間だと思っている。
自分を変えようと思うこともあったが、どうやっても上手く行かなかった。
「仕方ないだろ・・そういう性格なんだから・・・」
相手のいない言い訳が思わずこぼれる。