楽しきゃいいんです

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あれから母親のごとく急かす平古場くんに文句を言いつつ、うちは着替えて家を出た。


でも凄いよなぁ、平古場くん。


年頃の乙女の部屋になんの躊躇いもなく入ってきやがるんだからよお。


ハッ!誰が乙女なんばぁ?」


心読むなよ


しかも失礼なやつだな!


鼻で笑いやがって。


「…つーか、平古場くんは何で勝手に人のうちに来たのさ」


「だから勝手にじゃ、」


「不法侵入云々の話じゃなくて、なんで家に来たのってことさ」


本当は不法侵入のことも問い詰めたいんだけどね。


訴えたいんだけどね。心の底から。


「あー…別に、わんの家から近かっただけの話さぁ」


近いからって勝手に上がるかな!?


こいつにはどうやらデリカシーという言葉は無いようだ。




あーあ、てか朝早すぎて眠い。


「…ねむい」


「間抜けなちら(顔)してんじゃねーよ」


「てめぇ!」


「…やてぃん、ちゃんと来る分だけやーはマシさぁ」


「は?来る分?…誰か来ない輩がいるの?」


「…裕次郎さー」


「ゆーじろー………甲斐くん?」


え、あのフリーダム野郎朝練の来る来ないもフリーダムなのか!?


ずりぃ!!


「昨日のあぬひゃー(あいつ)の寄り道に付き合って分かっただろうけどよー、自由奔放過ぎるやっし」


それは果ても無く同感です


他人の意見には耳も貸さないからな、あいつ。


「午後練は参加してんだけどよ、朝練はいっつもサボって遅刻ばっかなんばぁよ」


「常習犯なのか」


てか、副部長の分際で遅刻常習犯って大丈夫なのか。


「まったく、風紀委員のわんの身にもなれっつの」


…風紀委員…


「なんか文句あるんばぁ?」


ないないない!あだだだだ痛いからコメカミは止めて!!」







何回聞いても平古場くんが風紀委員ってのはしっくりこない。
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