楽しきゃいいんです

□13
4ページ/6ページ


「んじゃ、いっつも呼び行ったりしてんの?うちに乱入して来たみたいに」


「してねーらん。遅刻して来るの注意するだけさぁ」


それじゃあ聞くはずもないわな…。


「それに朝練ある時に呼びに行く時間なんてねーっての。わんまで朝練遅れて永四郎に怒られるさー」


じゃあなぜうちの家には来たんだこのやろう。



「…んじゃ良いや。うちが呼びに行くから平古場くん部活行っていいよ」


「…は?」


「平古場くんは練習があるから遅れられないけど、うちはマネージャーとして部員をちゃんと練習に呼ばなきゃだしさあ」


木手くんには平古場くんから一言言ってもらえればたぶん伝わるだろうしね。


フリーダムなんて放っといても良いかもだが、やはりフラフラとやるべきこともせずにしてるのは許されん。


それ以前にうちがこんな早起きしてんのに甲斐くんだけのらりくらりとしてるなんて許さねぇ。


叩き起こしてやんよ。



「…」


「ほら、これなら甲斐くんも練習来るし遅刻しないし、平古場くんも注意しなくて済むし一石三鳥じゃんよ」


ついでにうちも木手くんの監視下でマネージャーの仕事をしなくても済む。


これが一番大切。


「…でもやー、裕次郎の家知ってるんばぁ?」


「一応ね。昨日の帰り、わーざわざ甲斐くんの家経由で帰らされたからね」


あの野郎、レディを送り届けるっていう概念はなかったようだ。


自分の家の前に着くと「んじゃまた明日なー」と言ってさっさと家に入って行ってしまった。


学校から分かりやすいルートだったから助かったものの、転校初日のうちを1人で放り出すかね。好き勝手に引きずり回した挙句に。


まあ帰れたから良いけどさ。(いや良くはないか)


「という訳で、甲斐くん呼んできますわ。平古場くん、遅れるかもしれないってオカ…木手くんに言っt「…わんも行く」


は?


「え、さっき平古場くん、呼び行ったら朝練遅れるから行かないって…」


「…別にわんの勝手やっし」


相変わらず自由人だな。


「ふーん…。なら後はよろしく。任せた。遅れるってことは木手くんに伝えといてあげるでよー」


「は!?ぬーんちそうなるんだばぁ!?」


「だって平古場くんが行ってくれるんならうちは必要ないかなーと」


責任転嫁。


「わっ、わんはやーが道にでも迷うかもしれねーらんからっ、一緒に行ってやろうってあびたんやっし!」


「それはそれは、心配かけた。そんな心配も平古場くん1人で行けば必要ないから!」


「〜〜っ、初めに言い出したのは神矢だろ!自分であびた(言った)ことは責任持て!!」


「えええええ!それ平古場くんには言われたくない!…ちょっ、腕離せや!つーかどこ行くの!?」


「裕次郎の家さぁ!!」


「平古場くんだけで行ってくれよぉ!」


「あらん!」


なんでだYO!



うちの叫びも聞こえないのか、平古場くんはうちの腕を引っ張って歩き出しやがった。


ちくしょう逃げたい。


朝練行きたくないけど学校行きたい。



▽逃げますか?
 →いいえ
  無理です
  諦めます




コマンドの少なさにびっくりです。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ