楽しきゃいいんです
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「…とにかくプリント片付けるよ、木手くんに怒られる前に。もちろん自力でだかんな」
「えー」
えーじゃねえよ。
すべてうちに任せる気かバッカ野郎。
「もう席座れ甲斐くん!シッダウン!」
本当に落ち着きないな!
「うー…分かったさー」
「笑えることに国語と理科と英語はうちが終わらせてしまいました。数学と社会、分担してやろうじゃないか」
おんなじプリント渡されたから、1人が解き終わったら写せるという利点がある。
けどうちばっかりが解いてるのも如何なもんかと思うけど。
「…にりー(面倒くさい)なぁ…」
にりー…。
前も聞いた気がするが意味は知らねえ気がする。
でも甲斐くんの雰囲気からしてやる気がないのは丸分かりだ。
「うちは既に3教科やってるんですがね。1教科くらいやれよなぁ心狭いなぁ!」
「あー分かった分かった!やるからそうわじる(怒る)なよなぁ…」
「分かればよろしい」
不満げだがちゃんとシャープを持つ甲斐くん。
どっかの金髪より何倍も素直な子だと思う。
その点はえらいえらい。
「じゃあ選ばしてあげよう。数学と社会どっちが良い?」
うちは両方嫌いだから綺麗に残しておいたんだけど。
「…数学は勘弁さー」
「ふーん。甲斐くん数学苦手か」
「まあな」
「へー。じゃあ甲斐くん数学な」
「なんでだよ!?」
「苦手なものは克服するべきだもんな!ほら頑張れ。うちは応援しているぞっ☆」
「しんけんか(マジか)…」
うちはいつでも真剣です。