楽しきゃいいんです
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なんか知らないが、うちは金髪野郎こと平古場くんと帰路についている。
なんか知らないが、ってこともないか。
理由は分かってる。
オカンのせいだ。
それはついさっき、挨拶し終わった時だった。
『それでは神矢クンには早速仕事をして貰いましょうか』
『げ、いきなり……』
『…と言いたいところですが、彼女はまだ比嘉中生でもない。それに今日は監督も居ない自主練のようなものですから。学校が始まり実際にマネージャーに申請してから仕事を頼みましょうか』
『あ…そう』
『なんですかその反応は。何か不満でも?』
『いいえ!!それで大賛成です!!』
『でしょうね。…では平古場クン、彼女を送り届けて来てください』
『はあっ!?』
『何ですその驚いた顔は。さっき言いましたよね、貴方に後で謝らせると。それも兼ねてです。…嫌なんですか?』
『……分かったさー』
『え、や、いいよいいよ』
むしろこれ以上めんどいことにしたくないからいいよいいよ。
『あらん。…永四郎がこうあびてんだから行かねーと駄目なんやっし』
なんで。
そうか、オカンの言ったことは絶対か。
絶対王政ならぬ絶対オカン制度なのか。
『めんど…』
『なにか?』
『何でもないYO!!!』
こえーこえー!!
聞こえてたのか!
『とにかく、平古場クンは神矢クンを送り届けてから、他は今すぐ自主練に戻る。分かりましたね』
『『おー』』
『…』
平古場くん、すっげー不満そうなんですけど。
まったく、自分が蒔いた種なのにな!