楽しきゃいいんです

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あれから先生が教室に戻ってきて、改めてささっと簡単に紹介してくれた。

これが正しい転校生の紹介だよね。

んで、うちの席を教えてくれたんだけど…………。


「まさかこんな事になるとは……」

「…ぬーよ、何か文句でもあるんばぁ?」

「…いや、何にも」


横から来た不機嫌な声に首を振って返す。

そう、横にはあまり関わらないと宣言された平古場くんが。

平古場くんの隣とか…。

対立してるヤツと隣になるとか、王道過ぎて笑えねえよ!!

しかも教室の隅で、隣が平古場くんしかいない状態。

最っ悪じゃないかこれ。


「わんの方が最悪やっし」

「心読むなよ!」

「全部口に出てるっつーの」

まじでか。

「バーカ」

「くっ…!」


普通に言われると大変ムカつく。

この金髪野郎……!


「よし、じゃあ授業始めるぞー。教科書34ページ開けー」


うちの怒りなど露知らず、先生は授業を進めていく。

…あ、そういや教科書まだ受け取ってなかったんだっけ。

筆記用具しかねぇや。

うーわめんどくさい。

だけど仕方ないか…。


「………平古場くん」

断る

「なぜ!?う、うち何にも言ってないし!」

「やー、どーせ教科書持ってないから見せて欲しいんだろ」

「………うん」

断る

「なんで!?おまっ、心狭いな!」

「狭くないっつーの!!さっきあびただろ、あんまりわんに関わるなって」

「知ってますよ?こっちこそ関わるつもりはないぞ、平古場くんなんかと!」

「なんかってぬーよ!!関わりたくないって分かってんなら良いやっし。だから見せたくないだけさー」

「はぁ!?ちょ、あんたバカ!?そうかバカなのか!!関わらないと教科書見せないとは違くないか!?違うよね!?このばかやろう!!」

「一緒さぁ!つーかわんふらーじゃねーし!!」

「おめー充分バカだし!!」

「ふらーはやーの方あんに!!」

「うちは教科書見せないくらい頑固なバカじゃありませんー」

「なっ……テメェ!!」

はいはい神矢―平古場―。続きは廊下でなー」

「「……」」


転校初日、最初の授業で廊下に出されました。





イラついたから廊下に出るついでに寝ている甲斐くんの頭をひっぱたいてやった。

つーか授業始まって5分で寝てんじゃねーよ。
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