楽しきゃいいんです
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「……」
「……」
廊下に出されて、うちも平古場くんも静かになった。
むしろ2人揃って廊下に追い出され、口喧嘩する勢いも削がれ話す事がなくなった。
静かでなんか気まずい。
な、何か言わなければ。
「………風紀委員が廊下に出されてるとか愉快なもんだね。ププー」
「かしましい」
「いたたたたた」
髪の毛引っ張るなよ。
こいつはなぜ攻撃をするんだ。
過激派か。
このやろう。
「…はー、一気に冷めたぜー…」
「え?あぁー…そうだね、廊下って日当たり悪いもんね」
「あらん」
「は?」
「…違うって意味さー」
「あ、そう」
まだまだ先は長いなぁ、琉球方言。
「ったく……やーと話してるとちぶる…頭痛くなってくるさー」
「はっは。平古場くんが無駄に食って掛かってくるからだろー。平古場くんってアレ?好きな子ほどいじめたくなるタイプ?」
「吊るすぞテメー」
「すんません」
ほんの冗談だったのに。
冗談も通じずふいっとそっぽを向いた平古場くんを見て、溜息が出る。
「……はぁ。もうさぁ、関わりたくないと思ってても良いからさ。せめて日常生活に支障が出ない程度には対応してよ。そんなんじゃうち困るんですけど」
「勝手に困ってれば良いだろー」
「ばかったれ。さっきみたいに一々食い掛かって喧嘩になったらたまんないし!毎回毎回廊下に出されたいのか!」
「あー………それもにりー(面倒くさい)な……」
「(にりー?)…と、とにかく、嫌なら最低限の会話くらいしようよ?」
「……最低限、な。無駄な話とかしても無視するからな」
「ちょ、おま、偉そうだな」
しかもこうやって話してる時点で充分口はきいてるんだけどね。
まったく、よくわからないヤツだなぁ。