楽しきゃいいんです

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「凛も涼音も急げー!!早くいちゅんぞー」

「へいへい」

「……」



えーと、待てよ。

昼ご飯の時間だからだから学食行くのは良いよ。

むしろ学食に行かなきゃいけないのは分かってるよ。

だからって、なんでまたコイツらと行くんだ。

おかしいんだよ。

根本的におかしいんだよ。





―――時は4限目終了時。

『よーやく午前中の授業終わったー!』

『あー、疲れたさぁ』

『…あ、そういやさ、ここって昼学食なんだよね?』

『そうだぜー』

『ふーん』


よし、昼ご飯とは友達を作るチャンス!

昼ご飯を一緒に食べる女友達を作るのは大事な事だからn『んじゃ神矢。さっさと行くんどー』

は?ちょ…、ひ、ひらこばくん?なに腕掴んでんのかな?』

『よー裕次郎。学食行くぞー』

『おー』

『え、ちょ、まてまてまてまてまてっ待たんかぁぁああ!!!





…とまあ、こんな風に。

うちの意見は一切聞かずに拉致られた訳です。


つーかまずなんでだよ。

さっきまで「顔見るとイライラする」とかほざいてた平古場くんが、何で率先してうちを連れて来てんの。

意味わかんない。

またケンカが始まることが目に見えてるぞ。

こいつはうちとまたケンカしたいのか。そしてまた廊下に立たされたいのか。

ますます分からない。




「…ぬー(何)ふらー(馬鹿)みたいなちら(顔)してぼーっとしてるんばぁ?」

「え?ぎゃあっ!

「うわっ!!ぬ、ぬーがよ!?」


そ、想像以上にもさもさが近かったからびっくりした!!


「な、なんでもない。ど、どうした甲斐くん」

「そりゃこっちのセリフやっし。涼音がふらーみたいな顔してぼーっとしてるから」

「い、いや何でもないけど。とりあえず事あるごとに人を馬鹿呼ばわりするの止めようか


人が琉球方言をあんま理解出来ないからって言いたい放題言ってくれてんじゃないよ。


「ははっ、悪い悪い」

「……前から気になってたんだけどよ、裕次郎」

「何だよ?」

「やー、いつから神矢のこと名前で呼んでるんばぁ?」


ああ、それはうちも知りたい。


「名前?あー…気付いたら涼音って呼んでたよなー」

「ははは。うちもびっくりだよ


了承した覚えもないんだけどね!


「…ふーん」

「ぬーやが、やーも涼音のこと名前で呼びたいんばぁ?」

あらん。


そう即答されても傷つくんだけど。


「…別にいいけどさ。急に呼び方変わってもビックリするだけだし」

「そーか?わんのことは別に名前で呼んでくれても良いさー」


甲斐くんはどこまでフリーダムなんだ。


「はは…、いつかね」




しばらく呼ぶ予定はないけどね。
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