楽しきゃいいんです
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タオルのことでオカンに散々怒られ説教されたあと、今度はドリンク作りを指示された。
タオルで失敗したんだから、もう次の仕事とか押し付けなきゃいいと思うんだけどね!
まあ正確に言えばタオルの失敗はうちのせいじゃないんですけど。
「あー」
じゃっばじゃっばじゃっばじゃっば
その間も、無心になってドリンクを作る。
みんな真剣にテニスしてるっぽいからしーんと部室は静か。
…お、そういえば久しぶりに1人になれた。
安心と共に、ふつふつと苛立ちが込み上げてくるんだが。
平古場くんと甲斐くんもそうだけど、特にオカン。
あのコロネ野郎。
「ったく…オカンめ、うちに対する扱い酷いよなーくそー」
タオルぶちまけたからって、外で正座って。
そこで説教って。
何様だよあの紅芋が!
「基本上から目線なんだよねもう!偉そうに!コロネみたいな髪型してるくせに。ガリバートンネルみたいな髪型してるくせに!!」
「それは誰のことですかね」
「うぎゃっはぁ!!」
振り返ればオカンがいた!!!
音もなく現れんでほしい!!
「うるさいよ。奇声を上げないでくれませんかね、キミの声は頭に響くんですよ」
「ごごごごごごごめんなさい」
腕組みをして眉根にこれでもか!ってくらいシワを寄せたオカンが立っていた。
やっべーやっべー、居ないとばかり思ってたからガンガン悪口言ってたよ!
「と、というかなんでここに来たの?れ、練習は?」
「キミがサボっていないか確かめるために来たんですよ。…ドリンクは作り終わったんですか?」
「あ、うん。取り敢えず…」
「そうですか。ではコートに持って行きますか」
「う、うん」
そう言うなりオカンはさっさと部室出て行った。
悪口言ってたことを追求されなかったのは良かったけど運ぶの手伝ってはくれないのね…。