楽しきゃいいんです

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朝練も終わり、教室に移動した。

荷物を机にしまいながら隣にいる平古場くんに声をかける。


「…ねー平古場くん?」

「ぬーがよ」

「本当にこれから今日みたいに起こし起こされの日常を過ごすの…?」

「…永四郎があびたんだからもう決まりやっし」

出たよ絶対オカン制度。

誰もオカンこと木手くんには逆らえない。

「絶対オカン制度」は今年の流行語大賞だよね。

でもこんな横暴な制度は廃止するべきだと思います!


「どんどんめんどくせー仕事増やしやがって…くそー、あのコロネがっ!」

「キレたところで何にも変わんねーらん、文句言うの止めろウザイ

「う…っ!?」


ウザイと面と向かって言われた。

その言葉はお前の方が似合うだろうに!


「うざいって平古場くんテメー「文句言ってる暇あるなら勉強したらどうなんばぁ?」

「…へ?勉強?」


何のことか分からずに目を丸くする。


「ちゅー(今日)の朝イチに国語の小テストがあるんだばぁよ」

「おぅっ!?」


驚いて変な声出してしまった。

しょ、小テスト?

テスト…うちがもっとも嫌う言葉じゃないか!


「う、うち聞いてないんですけど!?」

「そりゃそうだろ。昨日は国語の授業もなかったしなぁ」

「ちょ、それでいきなりテストかい!国語の授業一発目がテストって!」

「ハハッ、いい気味さー」

「平古場てンめぇ!!」

声を荒げるが、こんな金髪に構っている暇はない。

少しでも範囲を勉強せねば「よーしじゃあ授業始めるぞー


先 生 登 場。

早い、早いよ来るの…!

そのまま授業開始の挨拶して何の心の準備もしないまま先生がテスト用紙を配り始めた。

もっとチャイム鳴ってから10分くらい遅れて来てくれても構わなかったのに…。

むしろ来なくても良かったのに!


「残念だったなー神矢」


ざまぁみろとばかりにムカツク笑みを浮かべていた平古場くん。

笑ってんじゃねーよこの金髪が。


「ちくしょう…何のテストかも知らんまま受けるのか…!」


本当の実力テストってこんな感じなんだろうね。

範囲も分からないって言うね。

困ったもんだよ!


「でも平古場くんだって教室入ってから1回も教科書開いたりしてないじゃん!うちとお相子だよね!?」

「ま、どーだろうな?」

「…なんだよその余裕」


そうかあれか。

『私ノー勉だよー!』って言う子ほど100パー勉強して来るっていう決まり事みたいな感じか。

こいつ密かに家で必死に勉強してきた系か。

だから余裕なのか。

ばかやろうめ。


「うり、そんな変な顔してないでさっさと解答用紙受け取れー」

「あだっ!わ、分かってる分かってるよ」


横から小突かれた。

解答用紙前から回ってきてんのになんで横から小突かれなきゃなんないのかな。


「くっそー…フン。小テストくらいノー勉でクリアしてやるからな!」


「おー言ったな?だったら満点くらい取ってみろよ?」


「おー取ってやるさ!取ってやんよ!」






満点とってお前の目玉が飛び出るところをとくと拝見してやろうじゃないか!
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