本棚

□声が届かない
1ページ/2ページ



黄瀬side



「青峰っち、明日っスね」

「あ゙?黄瀬かょ」

屋外のバスケットゴールに
シュートを決める後ろ姿に
俺が話かけると
不機嫌なのを全面に出した
青峰っちが振り向く。

「やる気満々っスね」

「そりゃ新しい光とやらを
潰さなきゃなんねぇからな」

「火神っちの…
ことっスよね?」

「あぁ、それそれ」

さっきと一転変わって
けたけたと笑い出す。

「それとテツの目、
覚ましてやんねぇと」




気にくわない。

「諦めたらどうっスか」

「はぁ?」

気づいたら話していた。

俺は続けた。

「黒子っちはもう
戻ってこない」

その言葉に相手は
殴りかかるかと思いきや
意外にも反抗しなかった。

「…ってる」

「え?」

「わかってんだよ。
んなこと。けどあいつは

力ずくでも取り戻す。」


真剣な顔で話す姿に
見惚れる。

もう
警告音が聞こえないくらい
俺の声が届かないくらい
相手は必死なんだ。


「こんなに好きなのに…」

「ん?なんつった?」

「はぁ〜」

「なんだょ」

「呆れるっス」

「お前「俺にすればいいのに」

「は…?」

「なんで
届かないんスかねぇ」

「何がだよ」

「なんでもないっスよ」






俺は君をこんなに

君が好きでいるのに。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ