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□影だけが見ていた
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お互い意識している関係。
恋人ではない。

━━━━━━━



「おぃ、火神てめぇ何してんだよ」

「別に」

「別にじゃねぇょ、どけ」

「どいてくださいじゃねぇのか?」

「あ゙?」



今、火神は青峰を押し倒していた。

何故こんな状況なのかはちょっと前の出来事がきっかけ。





火神が屋外でバスケをしていた所青峰が話しかけてきたのだ。


「おぃ、俺の暇つぶしに手をかせよ」

「青、峰…」

そういうと青峰は火神からボールを奪い走り出す。

「あ、おいっ!!」

いきなりのことで火神は慌てて青峰のを掴む。

「っ!?」

「うおっ!!?」

青峰はいきなりの事でバランスを崩し、火神は青峰の速さについていけず青峰の上に倒れた。


そしてこの状態だ。


「重いんだょバカ野郎、速くどけ」

「こうやって見るとお前、惨めだな」

「なんだと…?」

そういうと青峰は火神を睨み付ける。すると火神はニヤリと笑い

「睨み付けんなょ。煽ってるように見えるぜ?」

と言った。すると青峰はちょっとだけ目を見開くが、すぐ冷静に戻り不敵に笑いながら、

「煽ってるっつったらどうすんだょ」

と、言った。


火神はその言葉に意外そうに笑ってから

「こうする」

と言ってキスをした。

「馬鹿じゃねぇのか」

「馬鹿だょわりぃか」

「いいんじゃねーの?
俺を楽しませろよ」

「上等だな」

「つか俺らは恋人か?」

「そうなるんじゃねぇの」

「くくっ…恋人同士の甘い空気には全くならねぇけど、こんな恋もいいじゃねーか」

青峰は相変わらずキスをしたって照れもしない。けど夕日でよくわからないが、少しだけ赤い気もする。


恋人になった火神とけたけた笑う青峰を夕日に伸びた影だけが見ていた。



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