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□「ありがとう」と「ごめん」
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『126対59』


桐皇はダブルスコアで勝利。だいたいの点数は青峰が取っていた。


「疲れたわー」

主将はそう言っているが全くそうは見えない。

「お、お疲れ様でした!!」

律儀な桜井はペコペコと皆に頭を下げている。あいつもこれくらい律儀ならいいのによォ。

そう考えながら例の青い頭を探す。が、いない。

「あいつどこ行ったんだコラァ!!!」

と、一人で叫ぶと

「と、トイレ行くって言ってました!!あの、気が利かなくてすいません!!自分ほんとゴミ屑です!!」

と桜井は頭を下げる。

「別に桜井に行ったわけじゃねぇよ;ありがとな」

と告げて俺はトイレに向かう。


するとトイレに向かう途中の廊下に見慣れた青い頭…と先ほどの対戦相手…
なにやら話をしている。



「青峰だっけか?」
「調子のんなよ。」

青峰が囲まれていた。

俺はそれを少し遠くから見ていた。青峰の反応が気になっから。

いつも強気な青峰が弱みを見せるかもしんねぇしな。
なんて軽い気持ちでその状況を見ていた。

しかしあいつは簡単に
期待を裏切った。


「は?調子にのるとかの前におめぇ等が弱すぎんだよ」

「なんだと??」
「こいつ!!」

対戦相手の一人が青峰の胸ぐらを掴む。

「離せよ雑魚が」

3対1でも青峰は人を見下すのを辞めなかった。

まぁそうだょな。

と思い青峰を止めようと思った瞬間、2人が壁に青峰を押さえつけ1人が青峰を殴った。

「っ!!」

「!!」



その瞬間

俺は



「何殴ってんだゴラァ!!!!!!」

と、叫び青峰を殴ったやつに飛びかかっていた。


「若松さん!?」

青峰が驚いているが今はコイツらを追い払うのが先だ。

「てめぇ!!うちのエース殴るとはいい度胸じゃねぇかコラァ!!」

そう怒鳴ると3人とも
逃げるように帰って行った。


「ったく、まさか殴るとはな」


殴るとわかってたら即座に止めに行ってたのによ…
まぁただ見てた俺も悪いか。

と考え、青峰を見ると、殴られた箇所を押さえて俯いていた。


「大丈夫か?」

声をかけるとそっぽ向いて

「別に大丈夫だし、助けろとか頼んでないし」

と呟いた。


「可愛くねぇなぁ。」

そういうと青峰はこっちを睨んでから背を向けて歩きだす。

背中を見るだけでふてくされているのがわかる。


「つかお前、3対1の時くれぇ人を見下すのやめろ」

「は?アンタに関係ないだろ」

「関係あんだょ。お前は…その…俺の、あれだ、あれだからよ」

「…恋人?」

「そう、それだょ…//」

「何赤くなってんだょキモチワルイ…」

そういうと青峰は早足で歩いていく。

「キモチワルイとは何だ!!」

走って追いかけて肩を掴む。すると青峰は

「触んなっ」

と言って俺の手を払い除けた。

でもその横顔は心なしか赤くなっていて可愛いやつだなぁ。と思った。

だから無理やりこっちを向けて殴られた箇所にキスをしてやる。


「なっ…何やってんだっ//」

「はぁ?聞かなきゃわかんねぇのか?」

「そういう意味じゃねぇ!!見られたらお前どうすんだょ!!」

「見られるなんて馬鹿なマネしねぇよ!!」

「いや、あんたは肝心なところでミスすんだよ!!バスケでも!!」

「バスケは今関係ねぇだろ!!」

「関係あるんだょ!!」




さっきキスしたのが嘘のようにギャーギャー廊下で騒いでいる姿を監督が見かけ、2人は帰りのバスには乗せてもらえず、歩いて帰るのでした。


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