本棚

□言葉のゆくえ
1ページ/1ページ


第56Qネタ



━━━━━━━


部活をさぼってブラブラしていたら、テツを見かけた。話しかけようとした瞬間、テツの嬉しそうな表情にふと、火神ってやつを思い出す。



「テツ!!」

「…青峰くん?」

「何嬉しそうな面してんだよ」

テツはあからさまに嫌そうな表情をした。

「…別に青峰くんには関係ないです」

「そうかよ」

「はい」

再び走ろうと前を向いたテツに、

「テツ、火神ってやつのとこに行くのか」

と話かける。

「そうですよ」

振り向かないでそう返されるから、イラッとして

「そんなやつのとこ、行くな」

と言っていた。するとテツは表情を変えずにこっちを向く。


「何で青峰くんがそんなこと言うんですか?青峰くんは僕のことなんか気にしないでください。そうやってるとすぐに足元すくわれますよ?」

「…そーかよ。でもな、お前のバスケじゃどーせ「僕は新しいバスケで、君を倒します」

「!!」

時間が止まったような気がした。

「このままじゃ駄目だって…今のバスケスタイルを変えなきゃいけないって、僕気づいたんです。火神くんのおかげで」

「っ…」

「僕、急いでるんで」

テツは再び走っていった。



テツ、

俺はお前がそのスタイルでバスケをしてる限りは、ずっと俺と火神を重ねてるって思ってた。けど違ったんだな。



それに、



「俺だって、お前にバスケスタイル変えろって、言ったつもりだったんだぜ…」



(伝わらなかった言葉はどこにいくんだよ)



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ