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□馬鹿だから風邪を引く
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「ぐずっ…のどいてぇー」

「あんなとこでずっと待ってるから風邪引くんですよ」

「テツがおせぇんだよ…」

「それは謝りますけど」


昨日部活が終わって学校を出ると、校門の所にマフラーをした青峰くんがいた。青峰くんは僕を見つけると寒いっと僕を抱きしめた。

青峰くんには悪いことをしたが、何にも連絡しないで待っている青峰くんも悪い。今日は土曜日なので、青峰くんの家に様子を見に来たのだが…

「…馬鹿は風邪引かねぇって言うだろ?風邪引いたってことは俺、馬鹿じゃねぇってことだな」

真面目な顔で言う青峰くんに、ちょっとだけ呆れる。

「馬鹿だから風邪引くんですよ」

「テツ…病人には言葉選べよ」

青峰くんが僕の頭を軽く叩く。

「…病人にしては元気ですね」

「空元気だ」

「そうですか、寒くないですか?」

「…寒い」

「じゃあ、ちゃんと寝てください」

「わかったよ」

青峰くんが素直に言うことを聞くことなんて、そんなにない。やっぱ具合悪いのかな、と考えている矢先。

「わっ!!」

手を引っ張られ、青峰くんの上に倒れ込む。


「青峰くん、痛いです。


「テツ軽いなー」

「青峰くん、離してください」

「いやだ。」

「風邪移ります」

「いいじゃん。俺の風邪だし、テツのせいなんだからよ」

「…」

そんなこと言われたら、もう離れられないし、きっと離してもくれない。それに気持ちいいし、おとなしくこのまま眠よう。


「風邪引いたら、看病してくださいよ」

「ずっと抱きしめててやるよ」

「…やっぱいりません」

「可愛くねぇーな…」


青峰くんはそう言って、僕をさっきより強く抱きしめる。

「早く元気になってくださいね」

「おぅ」

ちょっとだけ強く青峰くんに抱きつく。すると青峰くんはちょっとだけ笑ってから僕をまた強く抱きしめた。


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