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□昔から知ってたんだ
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もし若松が青峰のことを
昔から知っていたら

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「アンタに俺の何がわかんだよ」


昨日青峰にそう言われた。確かに昔の青峰と俺は面識はない。が…俺は青峰を知っていた。キセキの世代ともてはやされていた以前に、大人に混じってストリートバスケをやっていた青峰を昔見かけたことがあったからだ。

それが青峰だと知ったのは、桐皇にきたアイツのトリッキーなプレイを見てからだが…


「昔から知ってたんだけどな…」


さて、青峰を迎えに行くか。早く行かねぇとあいつ、拗ねて主将のとこに行きかねねーしな。

そう思い立ち上がると、扉が弱々しく開く。

「…自分から戻ってくんなんて、珍しいじゃねぇか」

「うるせぇよ」

青峰が気まずそうに戻ってきた。可愛いやつだな、と頭をガシガシ撫でると、青峰は痛ぇよ。と手を払う。

「……」

「…あのよ」

沈黙を破るように俺は話しを始める。


「…青峰、俺お前のこと、」

昔から知ってたんだぜ

と、言いかけてやめた。知ってたと言っても、性格までは知ってるわけじゃなかったから。


「…なんだよ」

「やっぱ何でもねぇ」

「……」


また沈黙が続く。


「…そういえばさ」

すると今度は青峰が話し始める。

「若松サンは知らねぇかも知れねぇけど、俺はアンタのこと、昔から知ってたぜ」

「!!」

「ストリートバスケやってた時に、アンタを見た」


青峰はそう言ってちょっと笑った。

俺は青峰を知っていた。けど、青峰は俺を知らないと思っていた。

「青峰…俺だって、知ってたぜ、青峰のこと」

「ははっ、嘘だろ?俺はたまたまアンタを見ただけだ。チラッとな。別にアンタのことなんて、忘れてたよ。そしたら桐皇にアンタがいやがった。本当にたまたま。」

「…(忘れてたのかよ。まぁ俺も青峰だって気づかなかったけどよ…)」

「…アンタに桐皇で会ったのはたまたまだけど、良かった。って思ってるけどな」


青峰はそう言うと俺のことを蹴飛ばす。

「痛っ!?青峰てめぇふざけんなコラァ!!」

「はは、アンタはそういう雰囲気の方が、似合ってるぜ。」

「なんだよそれ、」

「桐皇でアンタに合えたから、アンタのそういう性格、知ること出来たからよ」

「!!」

青峰はちょっとだけ恥ずかしそうに俺に背を向ける。

ずりぃだろ。俺だってお前に会って、こういう関係になって良かったって思ってんのによ。だいたいこいつ、普段強気なくせにこういう時だけ妙に何かを抱えているような雰囲気だしやがって…


「ずりぃぞコラァ!!」

「な、なにがだよ…」

青峰が驚いてこっちを見る。目が合って、ちょっとだけ恥ずかしくなる。


「お、俺だって、お前に会えて良かったよ!!生意気なお前が好きだコラァ!!」

青峰はポカーンとしてから、

「…ばっかじゃねぇの」

と、頭をかきながら呟いた。

俺は青峰を抱きしめてから、キスを

「若松ー…って青峰もおったんか」

「主将っ!?」

「い、今吉サン?」

「つか、なに人の目の前でイチャついとんねん。しばいたろか?」

「い、いや、その」
(主将がノックしないで入ってきたんでしょ!!)

「…」(相変わらず無茶苦茶だな今吉サン)

「まぁいいわ。ただし、明日の試合、二人で100点とるんやで」

「え…」

「ほな、よろしく頼むわ」

そう言って主将は出ていった。すると青峰は

「俺80で若松サン20でいいじゃん」

と言った。

「なめてんのかコラァ!!」

「あーうっさい。んじゃ若松サン80ね。」

「ゔ…それは…」

「まだ文句あんのかよ。」

「ねぇょ!!!」


どうやらさっきまでの甘い雰囲気は、主将と一緒に部屋を出ていってしまったようだ。



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今吉サンがなにをしにきたのか私にも不明←

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