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□俺だけを見ろよ
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誠凛vs桐皇戦前

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「若松サン」

部活帰り、珍しく部活に来た青峰が俺の名前を呼んで、後ろから俺に抱きついてきた。

「おぃ、青峰??」

「何だよ」

「どうした?」

「別に理由なんかねぇょバカ」

「なんだとコラ」

「若松サンうっさい」


話のやり取りをする限り、口調はいつもと変わりない。が、俺の腹に巻きついついる手の力は青峰とは思えないくらい弱々しい。

「青峰。」

俺は青峰の方を向く。すると青峰はいつもよりも確実に元気がない。

「青峰…どうした」

青峰の頬に触れる。

「若松サン、」

こんな青峰の顔は初めて見る。初めて青峰が見せた弱々しい顔だった。人を見下している様子なんてまるでない。

「若松サン、俺、」

「おぅ」

「…昔の相棒が対戦相手にいんだよ」

「…おぅ」

昔の話だって青峰の口から直接聞いたこともない。昔の相棒ってことはそいつも『キセキの世代』ってやつか。



「あいつを見ると、昔の、すげぇバスケが好きだった時の記憶が、戻ってくるんだょ。」

と言って青峰の頬にある俺の手に、青峰の手が触れる。

「…」

「そうすると辛いんだょ、今こうやってバスケをするのが。どうせ俺のバスケは間違ってる。それくらい、わかってんだよ。」

そう言うと青峰は俺の手を強く握って俯く。


こいつ、本当に青峰か?まるで面影がない。実は青峰の中に桜井が入ってるんじゃ…

そう1人で黙々と考えていると、青峰がガバッと抱きついてきた。

「青峰っ…」

俺は青峰をきつく抱きしめる。青峰が俺の首元に顔を埋める。青峰にこんなことをされるのは初めてで、少しくすぐったい。



「青峰、俺はお前の昔のバスケは知らねえ。けど俺等は桐皇だ。個人個人のプレーが大事なんだよ。だから、お前のバスケは間違ってねぇよ。」

「…」

「それにな、俺はお前のバスケ、好きだぜ」


俺がそう言うと青峰は顔をあげる。その表情は少し驚いていた。そして

「アンタには一生無理だろうな」

と生意気そうに少し笑った。その顔を見て少し安心した。


「お前はそうやって笑ってればいいんだょ。バカな頭でいろいろ考えすぎんな。」


そう言って頭を撫でてから、どちらからとも言えないキスをした。

いつもなら俺ら、キスも騒がしいのにな。こんなに静かなキスがこの先あるだろうか。と考えていると、青峰が近くにあったベンチに座る。遅れて青峰の隣に座る。すると青峰は笑いだした。


「何笑ってんだょ」

「かはっ、別に?」

「そうかよ」

「…若松サン、

ありがとなッ」

「!!」


ニッと笑う青峰の笑顔に俺は頭がクラッとした。見たことない笑顔は輝いて見えた。

俺は青峰の笑顔に怯んだが、ふと思い出したことを青峰に言った。


「つかお前、昔の相棒なんか気にしてんじゃねぇぞコラ」

「若松サン嫉妬してんの?」

「だ、誰がっ!!」

「アンタだょ」

「…そ、そうだよ!!お前は今は俺だけ見てればいいんだよ!!」

「はっはー、そうさせてもらうかな」

「!?」「くくっ」


そう言って青峰は俺に寄りかかる。俺は青峰の肩を抱いた。



(俺はお前しか見てないんだからな!!!)

(俺だって、アンタだけを見てるぜ?)


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蜂様!!ありがとうございました!!そして返品可能ですので(p_q)笑

読み返せば読み返すほど
文才がないな(/_;)

つかこれ青峰ですか??
別の人ですかね?
キャラ崩壊_| ̄|○

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