本棚U
□居場所
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「今吉サン、」
名前を呼べば、あの人は俺に微笑みかける。
「おぉ、青峰。どうしたん?」
俺の大好きな顔。昨日まで信じられた笑み。
「いや、」
けど知ってしまった。この人は俺を見ちゃいない。
「言わなわからへんよ?」
見てしまった。この人が空き教室で女と体を重ねているのを。
「…昨日、」
自分から突き放さなければ、辛いのは自分だ。
「昨日なんかあったんか?」
なのに、言葉が出てこない。
「青峰、」
この瞬間から今吉サンの目は笑っていなかった。
「昨日見てもうたんか?」
殺されるんじゃないかというほどの恐怖。
「今吉、サン」
「ならしゃあないな。この関係は終わりや」
「な、んで」
「俺、お前のこと、好きちゃうねん」
「っ……」
わかっていたはずなのに、こんなに辛いなんて。
「ほな、さいなら。部活やめるなんて言わせへんよ?お前を利用せな、インターハイ勝てへんからなー」
笑いながら今吉サンはいなくなってしまった。
テツと離れてから、ずっと1人だった。やっと居場所を見つけたと思ったのに、
「なんで…」
こんなことになるなら、知らなきゃよかった。偽りの愛でも幸せだった。
(もう居場所がない)
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相互ありがとうございます!!
今←←青
のつもりです(ToT)
こんな駄文ですがどうぞ!!笑