本棚U
□体育館<玄関
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今吉サンはモテる。恋人の俺を簡単に振り回すくらい。今だって今吉サンは女と仲良く俺の前を堂々と歩いてる。俺がいるって絶対気づいてるクセに嫌な先輩だな。
「今吉くん、今日遊ぼうよ!!」
「今日?えーよ。」
今日俺と帰る約束まであっさり忘れやがって。
なんか、ムカつくよりも先にもやもやした気持ちになった。俺は来た道を走って戻った。
気づけば体育館にいた。どうやら人一人いない。
「バカやろう!!」
俺はむしゃくしゃした気持ちを転がっていたボールを拾ってからリングに打ち付けた。
いつもより力強く打ち付けた。なのにリングは壊れなかった。力が入らなかった。
「ッ……」
なんか、悔しいけど、俺には今吉サンしかいない。だから今吉サンに捨てられたらって不安になる。
「うっ……」
涙でリングがにじむ。手が痛い。でもそれ以上に胸が痛い。
俺はその場にしゃがみこんだ。
すると、ふと背中から誰かに抱き込まれる。それだけで誰かわかった。
「どうしたん?」
わかってるクセに。コノヤロウ。
「青峰、泣いとるんか?」
泣いてねぇよ。
「青峰」
声が出ねぇや。
「今日一緒に帰ろうな」
「はっ!?」
あ、出た。
「約束したやろ?忘れたんか?」
「アンタ、女と」
「あれ、青峰が見とんの知ってて言ったんや。嘘や嘘。」
「……」
「ワシ、青峰に愛されとるんやな〜」
「……」
「あ、青峰?」
「今吉サン」
「ん?」
「死ね」
俺はボールを至近距離で全力で今吉にぶつけた。きっと速度はイグナイトパスにも負けてねぇ。
「ぶふっ!?」
「俺はもう帰る」
「青峰、ま、待ってぇな」
「知るか」
今吉サンを置いて玄関に向かって歩く足取りは、体育館に向かう足取りよりもゆっくりで軽かった。
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遅くなりました;
すいません;
しかも駄文(^p^)
すいません(*ToT)