一番隊隊長部屋

□いつものところで
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「全く…お前、いつも私の近くに寄って来てうざいアル」

「そういうチャイナこそ…旦那にへばりついて、ウザイと思われているんじゃないのかィ?」



いつものように駄菓子屋に酢コンブを買いに出掛ける途中で、日課のごとくあの真選組のサド野郎に会う。


嫌そうな表情の神楽に半ば呆れ気味に視線を送る沖田総悟は、わざと不安を煽るように呟く。



「銀ちゃんは…そんな事、思ってないアル!」

「それはチャイナが勝手に思っているだけだろ?」



サド全開に神楽を虐めるように返答する総悟に、少しだけ神楽の表情が崩れる。



「そんな事っ…」



そんな神楽を見るのが毎度の楽しみである総悟は、囁きが聞こえる距離に近寄った。



「…俺はチャイナが側にいても、そうは思いませんぜ?」

「え…」



きょとんと目を丸くする神楽を眼下にしながら、総悟は今まで見た事のない真摯な瞳で見つめてくる。



「旦那の側じゃなく、俺の隣にいてくだせぇ」

「サド?」



何を言っているのか解らない神楽は、首をかしげて不思議そうに総悟を見上げた。



「俺は旦那よりも、チャイナ…いや【神楽】の事が好きでさぁ」

「総悟…ありがとうアル」

「別に、慰めてるとかじゃねぇからな」



少し照れたようにそっぽを向く総悟を見つめると、神楽は子供のような笑顔でにっこり微笑んだ。



「うん、分かってるアル…私も銀ちゃんの次に総悟が好きアルよ」

「…オメェ、全然分かってねぇじゃねぇか」



それからいつものように、激しいバトルが始まったのは言うまでもなかった。





Fin

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