天の声よ風に乗れ
□天の声よ風に乗れ
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ーここは、橘邸ー
「浩月よ(こうづき)」
「はい、何でしょうか」
「明日は安倍家の者が来る、失礼がないように」
「分かりました」
「浩月」と呼ばれた者は、月をみやげながら頷いた。
「お前を連れてきてから、三日か、大丈夫だ・・安倍家にはなにもしない」
「ありがとうございます」
そう言って、浩月は頭を下げた。
「かしこまる必要はない、ただしバレないように」
「仰せのままに」
その返事を聞いた橘鴨忠は、自分の部屋に戻っていった。
それを見とどけた浩月は月を見上げながら、
つぶやいた
「じいさま・・」
その後ろ姿は、とても悲しそうで・・
さびしそうだった・・
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