BLEACH
□君のとなり。
1ページ/8ページ
――――…ただ、怖かった。
一度本来ならば心安らげる場所である筈の家に帰れば、待っているのは広くて誰もいない部屋とどこか暖かみの無い家の者達の言葉。
そして何より、
兄様だ。
必要以上は喋らず、本当のところどう思っているのかよく判らない。口を開く時も、出てくるのは突き返すような冷たい言葉ばかり。
兄様の隣りに居るだけで、緊張の糸が切れることはなくただただ怖かった。
それを形づくるのは、きっと“名門の大貴族”という重圧。
朽木家の者は皆、十三隊に入って上位席官入りしてきたと聞くし、兄様は六番隊長にまで上り詰めたし歴代最強とまで言われている。
そして当然、大貴族として、平民とやたらじゃれ合うのは禁止だ。
その環境は、ずっと流魂街で野良暮らしをしてきた私にはギャップがありすぎた。
まだ、そんなに上の席官にもなれていない。
通常の家の者なら席官になれれば大したものだろうが、この家ではそうはいかない。