BLEACH

□桜の舞う頃に。
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「――――…兄様?失礼します」
コンコン・と軽く戸を叩いてから、静かに溝を滑らせる。
白哉の部屋。広い部屋の中には整然と必要最低限のものが配置され、その一番奥の窓際で、白哉が机に向かっていた。
戸を開けたルキアにも返答は一切なしで、何かを書き続けている。
しかしルキアもそんなのには慣れっこだ。
「…兄様。折角の非番なのですから、仕事は程々にして桜でも見に行きませんか?」
「………」
まだまだ陽も高いうちなのに、しかも非番だというのに、白哉は仕事にかかりっきりだ。隊長であるが故、仕事の量が多いためだ。
「…隊長のお務めで少しお疲れでしょう。今日は天気も良いですし、少し息抜きしませんか?」
けれども返答はなし。
ルキアは少し困ったような表情をする。が、少しして、
「……これが終わったらな」
小さく、しかしはっきりと白哉の声が聞こえた。
ルキアは顔を綻ばせると、では待ってます、と残していった。


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