BLEACH

□旧・桜の舞う頃に。
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「…兄様、いますか?」
僅かに溝をこする音がして、扉が少しだけ開いた。
ルキアの家の、他の部屋よりは少し狭めの応接間。
中を見ると、目的の白哉。と、そのテーブル越しの向かい側に座る男が一人。
それは、薄黄の髪ににっこりと笑った顔をもつ、隊長羽織を着た男だった。
「…あ、市丸隊長。いらしてたんですか」
言うと、ギンはいつもの笑ったような顔で笑ってこちらを見た。
「ああ、ルキアちゃん。丁度よかった」
そしておもむろに立ち上がると、当然の如くルキアを掴んで
軽々とその肩へ乗せた。そして振り向きもせず、
「六番隊長さん、ちょっと姫さん借りてくわ」
「え?え?い、市丸隊長、放して下さいっっ……!!」
ルキアの抵抗の言葉も、閉まった戸に残されて消えた。
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