BLEACH

□桜の舞う頃に。
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「―――兄様っ、見て下さい!綺麗ですよっ」
ルキアは思わずはしゃぎながらそう言って駆けていく。
隊舎近くの桜並木。どの木も薄桃色の花を全て綺麗に咲き誇らせていて、絶好のお花見シーズン。
しかし、桜並木が長いことと護廷十三隊の隊舎の近くということとが重なって、この辺りにはあまり花見客はいない。連れ出した白哉よりもはしゃいで目を輝かせるルキアは、袖を翻しながら白哉に笑顔を見せる。白哉はそのあとをゆっくりと追いつつ、脇の桜の木々と妹に軽く目をやった。
一度木のてっぺんを見上げて、ひらひらと舞い落ちてくる淡い色を手に取って眺める。
それも、地面に落ちたものも、ルキアの周りを彩って舞っていくものたちも、一様に、けれども少しずつ違った色彩で綺麗な淡い色をしていた。
白哉がそっと指をゆるめると、花弁がひらりと風に流された。
「……。…桜、好きか?」
「はいっ。」
白哉の問いに、ルキアがそのままの満面の笑みで返す。
「だって……」
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