BLEACH

□大きくなった小さいキミへ。
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「べつに隊長が小さいからじゃないですよー、ほら、なんていうか、一日くらい童心に返ってもらうっていうか…」

その台詞が終わる前に、冬獅郎は再び方向をかえて部屋を出ていった。

――これだから、5月5日は嫌いなんだ。
隊長なのに、小さいから、子供だからって祝い事しようとする。
護廷十三隊には子供の行事なんざ必要ねぇってのに。
オレはガキじゃねぇっ!

適当に、隊舎の中庭に向かう縁側まで来てどっ・と腰かける。
はー・と一度息をつくと、向こうから小さく足音がきこえてきた。
「日番谷くーんっ」
冬獅郎がとたとたと足音のする方へ目を向けてみると、一人の少女が手を振りながら近付いてきていた。
少女は冬獅郎のところまで来るとその隣りに腰かけた。
「なんだよ、雛森?」
「ううんー、ちょっとね」
桃は、そう言って小さく笑う。
なんだよ、と冬獅郎が前を向くと、桃も同じような方を見た。
「…昔さ、流魂街にいた頃。5月5日がくるたびにシロちゃん、第1区で揚げられたこいのぼり見てたよね」
「“シロちゃん”てのヤメろっつってんだろ。…つうか、お前もオレを馬鹿にすんのか…」
「馬鹿になんてしてないよぉ。…あの頃はホントにお祝いのためのものな
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