駄文(長編)
□雨空の下で4
2ページ/2ページ
(月詠姐!ねぇ…!!月詠姐!起きてよ!死んじゃイヤだよ!!)
ぅぅん…何か騒がしいのぅ
晴太…起きるから…
起きるから…
少し静かにしなんし…
『月詠姐…。死んじゃ…イヤだよぉ…。』
『おい、晴太何オマエ月詠が死んだみたいな言い方してんの?生きてっから、めちゃくちゃ無事だから!』
『だって…月詠姐、辻斬りに斬られたんだよ!大丈夫かな!?』
『バァーカ!銀さんが死体を病院に持っていくと思ってんのか?無いからそれは無いから。銀さんそんなことするよりだったらあの場で怒り狂って似蔵ズタズタにしてるから。』
『月詠姐!!』
『何晴太お前シカト?随分いい身分になったじゃねーか。ってんん!?』
そう言う銀時の前には目を覚ました月詠がいた
『月詠姐!!大丈夫?もうオイラダメかと思ったんだよ…?』
『すまぬ…晴太…。』
『だっから…晴太俺さっきも言ったよな!俺が死体持ってくるわけ…』
『月詠起きたの…?良かったわ…!!』
さっきまで病室の外にいた日輪が病室の異変に気付き月詠の元に車椅子を進める
『月詠大丈夫だった?アンタ無理して…辻斬り事件の前から働き詰めだったのに更に休まないで働いて…ホント……無理して……』
『すまぬ…日輪…すまぬな…わっちはこの通り大丈夫じゃ……』
『そうかい…それならゆっくり休みな…。晴太、ちょっと私についてきて。月詠入院が決まったから衣服やら色々家から持ってこなきゃ…』
『うん、母ちゃん。それじゃ銀さん月詠姐の事頼むね』
そう言って晴太は車椅子を押して出ていった
『よぉ…月詠大丈夫みてぇだな。全く…俺に感謝しろよ。』
『どういう意味じゃ…?』
『おめぇ二回も斬られて死んでねぇの不思議に思わなかったのか?』
(確かにそうじゃ…何故自分はあの辻斬りに斬られて生きているのじゃ…?)
まだ起きたばかりの頭で月詠は必死に考える
『これなーんだ?』
そう言って銀時は懐からズタズタのジャンプを取り出す
『それは…わっちが没収したジャンプではないか!』
『そう。お前は俺からジャンプを取り上げてからそのまま斬られた。その時ジャンプが邪魔して傷が浅かったんだよ。だから言っただろジャンプはヤバいくらい固いって。気をつけろって』
その言葉のあとにフフッ…と月詠が笑う
『何笑ってんだよ…おめぇまた無理しやがって…ぶっ倒れた後だってのに似蔵捜しに行きやがって…また1人で背負いやがって…!』
急に銀時は力強い眼差しで月詠を見つめる
『すまぬ…銀時。』
月詠はその眼差しにそれしか言葉を返せなかった
『前にも言っただろ…もっと俺に縋りやがれ…!ってな。まぁだけど今回は俺から離れて天に召されなかったのは良かったからなぁ…ご褒美やるよ』
そう言って銀時は月詠を抱き締める
『ぬしは勝手じゃのう…怒ったり、甘えたり…本当に勝手じゃ…』
『まだ甘えてなんかいねぇよ。これはご褒美。甘えんのはお前をレンタルしてからだ。』
『本当に勝手じゃ…』
『おめぇ程じゃねぇよ』
そう言って銀時は月詠を強く抱き締めた