駄文(長編)
□記憶のカケラ1
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今日もいつも通りになると思ってた。あんな事がなければ…
月詠今日も晴天の空を舞うそして吉原を荒らす下衆を成敗する。普段と変わらない1日。だが最近ある男がちらつく。
女など棄てたはずなのに…それなのにその男は自分を綺麗だと言ってくれた。
それが忘れられなくて。
それが嬉しくて。
それだけでその男が忘れられなかった。
『銀時…』
思わずその男の名前を呟くしかし、すぐに我にかえり『女々しい…』と呟く
月詠は仕事が終わるともう陽は沈み夜になっていた。ひのやに着くとイヤでも目立つ銀髪の男が日輪に酒を注いでもらっていた。
『おう、アバズレ元気だったか?』
『なんじゃ銀時。今日はどうした?頭に手榴弾でも投げられたか?』
『バカ!テメーどんだけ天パを侮辱するつもりだぁー!?』
『まあまあ二人共仲良くして。それに月詠。アンタ銀さんに優しくしてあげなさい。銀さんあなたのことずっと待ってたんだから』
『はぁ?何で俺がこんなアバズレ待たなきゃいけないの?』
『黙れ天パ。』
素直に会い来てくれてに嬉しいと言えばいいのになかなかそれができない。
恥ずかしい…だから今日も奴には酒を注がず日輪に注がせる。
そして奴は飲みすぎてひのやに泊まっていく。
いつものこと。たまに夜這いをしてやろうかと思うがそんな勇気も無く、奴が来るのをどこか期待して。
期待したまま夜が明けて。奴は朝に吉原から出ていくそんないつもの事だった。