駄文
□別れ際ほど辛いものはない
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原付バイクの雑音混じって銀時の声が月詠に届く
今日は珍しく原付バイクで吉原まで送っていってくれるらしい
「そんでよ〜神楽の奴がよ〜」
銀時の声が聞こえない。
いや聞きたくないのだろう。
これ以上この男の声を聞くと別れるのが辛くなる。
別れたくない。
そんな事を思うまで自分はこの男を愛してしまった。自分達が乗っている原付バイクから吉原から漏れているネオンが見える。
あと少しで…
あと少しでこの男と別れなくてはならない。
できればずっとこのまま一緒にいたい
そう思うと月詠は銀時をぎゅうと締め付ける
それに気づいた銀時は声をかける
「どうしたんだ月詠ぉ?いきなりぎゅうってしちゃって。」
「何でもない。気にするな。」
「何かあるだろうが。何だ話してみろ。」
「いやじゃ…」
「いやじゃって言われても気になんだよ。言うまで吉原に返さねぇぞ。」
「それならわっちは言いたくない。」
「だぁぁー!!ちょっと付き合え!吉原まで遠回りになるからな。」
銀時は原付バイクを走らせある所へ向かう。
その目的地に近づいていくにつれて磯の香りがする。海に向かっているのか…
月詠は磯の香りを感じながらまだ銀時を締め付ける
やがて月詠の思った通りに海につく銀時と月詠は原付バイクを降りて砂浜に向かっていく。