短編

□バレンタインday
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『冬獅郎!』

「ん?」


今日は学校があったから夜だ

一護は十番隊の隊首室に顔を出した そのままソファに座る


「一護、お前こんな夜に来て大丈夫なのか?」

『ん?今日はさ!現世だとバレンタインデイっていう日なんだ』

「ばれんたいんでい?」

『そう・・・す、好きな人に、好きって言う日、なんだ!』

「ほう・・・・」


日番谷は興味深そうに書類から目線を外した


「で?」

『その、えっと、あの・・・・・・』

「一護はその”バレンタインデイ”に、恋人である俺にどうしてくれるんだ?」

『う・・・・・・・』


恥ずかしさのあまりか一護は顔を真っ赤にして口ごもってしまった


「ほら、」

『うきゅ・・・・・・・、その、あの、現世だと色んな会社の企画で、その、好きな人にチョコあげるんだけど、』

「うん、」

『と、冬獅郎って甘いの嫌いだからさ、俺・・・・・』

「うん、」

『どうしようって思ったんだけどね、現世でこんなのあったんだ』


一護は和風の紙に包まれた箱を取り出した


『・・・・・・好き、大好きだよ!冬獅郎!』

「ありがとう 可愛いな一護、顔真っ赤だぜ?」

『!』


日番谷は横から一護をそっと抱きしめた


『だ、だって!中身はいいんだけど、言うのが、恥ずかしくて・・・』

「開けていいか?」

『うん、っていっても、それも甘い物だけど・・・ごめん』


ガサガサと紙包みを外す日番谷


「ようかん?」

『そうなんだ、ハートの形のやつ、抹茶とあんこの』


一護は日番谷の手の中にあるようかんを指さした


「ん」

『ん?』


すると突然ようかんの入った箱を差し出された


「早く」

『え?』

「食べさせろ」

『・・・・・・ぇえ!?』


食べさせろって命令系!?

日番谷は有無を言わせぬ口調で一護に箱をさらに押し付けた


「・・・・・・・・・・・・・・・、」

『ぅ、』

「バレンタインデイなんだろ?」


一護は日番谷の持つ箱からハート型の抹茶のようかんを串に刺した


『あ、あーん(?)』

「あーん」

『・・・・・・・・・・・・、』


むぐむぐと口を動かす日番谷

一護はまさか日番谷があーんなどと言うとは思わず石化していた


「ん、なかなか上手いな」

『そう?』

「一護が食べさせてくれたからな」

『なっ・・・・・・・!!』


恥ずかしげもなく自信たっぷり言う日番谷


「もう一個食べたい」

『・・・・・・・・え?』

「もう一個」


結局抹茶のようかんを全て食べさせた一護は真っ赤だったらしい


End.
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