短編

□Art
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『あちぃー・・・』


一護は首にかけてあるタオルでこめかみを伝う汗を拭った


『美術部なのに、肉体労働とかマジ在り得ねぇ〜・・・』


冷暖房がついている教室とは違い、美術室は間に合っていないので

開け放たれた窓から入り込む風が頼りだ


『やっべ、死ぬ。』


一護は釘を抜きかけた木枠にもたれ掛かった


******


「一護!お前何部入るつもりなんだ?」

『部活?』

「おう!」


腐れ縁で高校まで一緒になった恋次が楽しそうに言った


『・・・さぁ?』

「やっぱ決めてねぇのかよ!」


案の定、と言わんばかりに恋次は笑った


『取り合えず、運動部は無しだ』

「・・・は!?」

『門限までに帰れないから』

「有り得ねぇ・・・殆どの候補が消えるじゃん」


一応目ぼしい部活は決めてあったようで、恋次は項垂れた

別に部活までお前と一緒にならなくてもいい、一護は思った


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