短編
□Art
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『あちぃー・・・』
一護は首にかけてあるタオルでこめかみを伝う汗を拭った
『美術部なのに、肉体労働とかマジ在り得ねぇ〜・・・』
冷暖房がついている教室とは違い、美術室は間に合っていないので
開け放たれた窓から入り込む風が頼りだ
『やっべ、死ぬ。』
一護は釘を抜きかけた木枠にもたれ掛かった
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「一護!お前何部入るつもりなんだ?」
『部活?』
「おう!」
腐れ縁で高校まで一緒になった恋次が楽しそうに言った
『・・・さぁ?』
「やっぱ決めてねぇのかよ!」
案の定、と言わんばかりに恋次は笑った
『取り合えず、運動部は無しだ』
「・・・は!?」
『門限までに帰れないから』
「有り得ねぇ・・・殆どの候補が消えるじゃん」
一応目ぼしい部活は決めてあったようで、恋次は項垂れた
別に部活までお前と一緒にならなくてもいい、一護は思った
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