短編
□葬式
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ぼんやりとした意識の中で聞こえてきた黒崎の声
感覚も鈍っているせいか、黒崎の存在が上手く掴めない
『強欲で、自分勝手なんだ、俺・・・』
そうなのか、そうだったのか?
『うん、だから勝手なことしても怒らないでくれよ?』
こんな時に何を言ってるんだ?
「一護・・・・・・!!」
遠くで、誰かの悲痛な叫び声が聞こえた気がした
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「何故一護が・・・一護が護らなければならない」
『天鎖・・・斬げ、つ』
「あいつ等は自分を護る力を持っているのでは無いのか」
『しょうが、ない・・・・』
「俺は、俺達は一護が護りたくて・・・!」
ボロボロの一護を抱きしめる
斬月としての己と、一護の相棒と名乗る虚のあいつが泣く
『泣く、な・・・よ?』
「・・・っ!」
震える指で零れ落ちた涙を掬い取られる
(一護が、死神の一護が死んだ)
(お前等のせいだ死神)
(護りたかったのに)
(だから死神なんて嫌いだ)
(黒崎が、死んだ・・・?)
何て綺麗な顔をした死体、
End.