めいん2

□芸人パロ
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※一緒に暮らしてる



「わああああああ!!」

穏やかな朝日が照らす中、突如として響いた絶叫は、まだ夢と現を行き交っていたオレの意識を強制的に現実へと引っ張った。驚いてベッドから転げ落ち、まだ覚めきってない体を起こして、オレは声の方へのろのろと歩き出す。

「どうしたんだよダイヤ〜…こんな朝からー…」
「あっ、パール、おはようっ、起こしちゃってごめんね」
「それはもういいけど……ん?なに」

携帯電話を片手に震える相方に、そっと問いかけると、彼は目を輝かせ、画面をこちらにつきつけてきた。差出人はマネージャーらしい、相変わらず、男性のわりに可愛らしいデコレーションメールで彩られている画面には、次の仕事の内容が打ち込まれていた。

「『カサトーーク!』の出演依頼だよ!!しかも『タウリナーΩ芸人』!」
「『カサトーーク!』…?」
「パール知ってるでしょ、『パラソル決行隊』先輩たちの冠番組」
「あ……あれか!」

確かに毎週水曜日楽しみにしている。毎回様々な企画を芸人が興し、当てはまる芸人たちでわいわいやる…みたいな番組。

「それで…オファー来たの…!?ダイヤに!?」
「うんっ!嬉しいなー、たくさん語りたいなー」
「テレビだからな?」
「わかってるよ〜」

へらりと笑って、ダイヤはうきうきとキッチンへ走っていく。朝ご飯できてるよ、という声に、ありがと、と言ってオレも足を踏み出す。

初めての、ピンの仕事だ。

芸人になる以上、どうしてもコンビばかりというわけにはいかないだろう。百も承知だ。

「……。」

ああもう、やめやめ。

「パールどうしたの?」
「なんでもないよ」
「味噌汁からい?うすい?」
「丁度いい」

安堵したような笑顔を浮かべるダイヤに、オレもつられて頬がゆるむ。そうだよな、たとえコンビの仕事がこなくても、オレたちはコンビだ。……収入の面は、まあ…そのうち考えるとして…。
そんな思考に耽っていると、テーブルに置いた携帯電話がぶーぶーと震えだす。こんな時間から、と手にとりぱかりと開けると、マネージャーからのメール。今度はオレ?とメールフォルダをひらくと、またもや可愛らしいデコレーションメールに彩られた画面に、『カサトーーク!!からオファー来ました』と書いてある。

「なになに?」
「マネージャー」
「え!!お仕事?」
「うん……『カサトーーク!!』…」
「すごいすごい!企画なに?ネタ考えるほう芸人?○○じゃないほう芸人?」
「失礼だな!!……ひ、ひみつ!!」
「なんで〜?」

教えられるわけがない。
だってだってなんで。まあ受けるけど、受けるけど!!




(『相方大好き芸人』とか……!)






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照れくさいパールさん。
あめとーく面白いです






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