めいん

□レッドさんとダイヤくん
1ページ/1ページ

.


※レイエ



「オイラとパールは幼なじみです」
「うん」
「だいすきな親友です」
「うん」
「パールはせっかちだから、どんどんと先に行っちゃいがちなんですけど」
「うん」
「ちゃあんと待っててくれるんです」
「へえ」

そういうところもだいすきなんです。と、とびきりの笑顔で相方自慢をする後輩が可愛らしくて、ぐしゃぐしゃと頭を撫でた。のんびり、ふんわり。柔らかい空気で周りも和ませてくれる、そういう能力をもっている後輩だ。そんなところが、なんだか彼女に似ているかもしれない。

「ふふ」
「レッドさん?」
「いや、なんか、イエロー思い出した」
「イエローさん」
「うん」

お前くらいの頃、本当に可愛かったんだぜ、いやあ、今もだけど。そう言って聞かせてやると、へえ〜、と後輩は楽しそうに目を細めた。かあわいいなあ、どんどんいじりたくなる、うん。食べ物あげたくなるな。すごく喜ぶんだ、エビフライとかあげると。そこは彼女とは違うけれど、それはそれでいいよ、この後輩だけの特色だ、かわいい。こういうのなんていうんだっけ、餌付け?


「レッドさん、イエローさんのことほんとうに好きなんですね」
「はは、そうかなあ?」
「だってすごく幸せそうに笑ってるんですから」
「え、」

言われて、思わず手を頬にもっていく。ぺちぺちと今の表情を確かめるべく数回顔を叩いてみるが、やはり鏡くらい無いと分からないものだ。ダイヤは人のことを意外によく見ている、とはいつかの、彼のだいすきな相方くんの言葉だ。確かに、こんなこと言われなかったら気づかなかったんじゃないか。いやあ、今もよく自覚できてないんだけども。
グリーンにもよく、腑抜けてるだのにやけすぎだの言われるが、そういうことなんだろうか。んんん。

「うーん、そうかも」
「そうですよ」

イエローと一緒だと、なんか嬉しいんだもんな。楽しいというか安心するというか、そう。癒される、というか。にやけてしまうのもきっと仕方ないことなんだ。しあわせなんだ、しあわせ。

「イエローさんもレッドさんといるとき、とっても幸せそうですよ」
「えっ」
「はい、今のレッドさんと同じかお、してるんですよ」
「……………」

それって彼女も、俺と一緒だと腑抜けたようににやけて幸せいっぱいとでもいうように笑っているってことなんだろうか。あ、うう。……ええと。
得意気に言う後輩の頭を、思わず乱暴にぐしゃぐしゃとやってしまう。後輩は驚いたようにうひゃあと情けない声をあげ、レッドさん離してくださいようと泣き言を言った。俺はといえば、そんな後輩のお願いを聞き入れるわけにもいかず、何も答えないでただ後輩の髪をかき乱すだけだった。今顔を見られる訳にはいかないんだ、きっと真っ赤で見られたものじゃあないから。許せよ、後輩。







彼女は幸せ者なわけですが
(そして俺はもっと)
(幸せ者なわけです)




--------
後輩にあまいレッドさんがすき









.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ