めいん

□内緒のキスをちょうだい
1ページ/1ページ

.


軍パロ


消灯時間を過ぎたら、ちょっとだけ、ちょっとだけ幸せの時間。見回りが行ったのを確認して、むくりと身体を起こした。大好きな君が、上段のベッドからおりてくる音がする。

「パール」
「静かに」
「分かってるよ」

同室の子を起こしたら大変だ。
宿舎は一部屋に四人で寝泊まりする決まりがある。オイラとパールが消灯時間のあとにもちょっとだけ起きていること、同じ部屋の二人にも言っていない。ばれたら、多分。(大変なことになるよ、ね)それだけはわかるのだ。
暗いベッドの上、それでも窓の外から入る月の光と白いシーツで、ほのかに明るい。彼の綺麗な金髪が光に照らされると、なんともまばゆく感じた。

「パール」
「うん」
「ちょっとで、いいから」
「うん」

本当に、ちょっとだけで、いいんだ。明日の召集にひびかない程度に、とか、ちょっとだけ消灯時間を破るくらい、とか。そんなささやかな時間、きみと一緒にいられたらって。

でもほんとうはいけないこと。

「…あのね」
「うん」
「……」
「……ダイヤ」
「すき、だよ」
「おれも」

いけないことってわかっていても。
あしたにはさいごをむかえるかもっておもっていても。
それでもきみをすきでいるから、ねえ。



(内緒のキスをちょうだい)



おやすみ、またあしたね。




--------------
title by 「確かに恋だった」

ついったの診断で出たやつですー
うーん……軍隊じゃなくてもいいですねこれ…(´・ω・`)





.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ