めいん
□内緒のキスをちょうだい
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軍パロ
消灯時間を過ぎたら、ちょっとだけ、ちょっとだけ幸せの時間。見回りが行ったのを確認して、むくりと身体を起こした。大好きな君が、上段のベッドからおりてくる音がする。
「パール」
「静かに」
「分かってるよ」
同室の子を起こしたら大変だ。
宿舎は一部屋に四人で寝泊まりする決まりがある。オイラとパールが消灯時間のあとにもちょっとだけ起きていること、同じ部屋の二人にも言っていない。ばれたら、多分。(大変なことになるよ、ね)それだけはわかるのだ。
暗いベッドの上、それでも窓の外から入る月の光と白いシーツで、ほのかに明るい。彼の綺麗な金髪が光に照らされると、なんともまばゆく感じた。
「パール」
「うん」
「ちょっとで、いいから」
「うん」
本当に、ちょっとだけで、いいんだ。明日の召集にひびかない程度に、とか、ちょっとだけ消灯時間を破るくらい、とか。そんなささやかな時間、きみと一緒にいられたらって。
でもほんとうはいけないこと。
「…あのね」
「うん」
「……」
「……ダイヤ」
「すき、だよ」
「おれも」
いけないことってわかっていても。
あしたにはさいごをむかえるかもっておもっていても。
それでもきみをすきでいるから、ねえ。
(内緒のキスをちょうだい)
おやすみ、またあしたね。
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title by 「確かに恋だった」
ついったの診断で出たやつですー
うーん……軍隊じゃなくてもいいですねこれ…(´・ω・`)
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