Novel

□さよなら、またね
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もうだいぶ人がいなくなって静かな道を二人で歩く。
この道は毎日通っていた道だ。仲間と笑いながら通った道。


だが今日はお互い何も話さず、ただぼーっと景色を眺めてた。



「なあ風丸」


「なんだ?」



ずっと黙っていた円堂に声をかけられ少し戸惑うも、短く応える。

すると円堂はこちらに向けていた視線を空に移した。



「卒業ってさ、桜が満開に咲いてるようなイメージあるよな」


「…あー確かに」


「でもまだ3月だし桜さいてないよなー」



そう言って円堂はまだ蕾の桜の木を見上げた。


そうだな、と短く返したら円堂は少し難しそうな顔をした。



「桜いつ咲くんだろなあ」


「はやくても3月の終わり頃か4月ぐらいじゃないか?」



たぶん、と小さく付け加える。

円堂は俺の言葉を聞いていつもみたいに笑った。



「じゃあさ、今度桜咲いたらみんなで花見しようぜ!

吹雪や立向居たちも誘ってさ!秋たちに弁当作ってもらうんだ。

そんでさ、みんなでサッカーやろうぜ!

ポジションなんか関係なしで!」



そんでさ、と円堂は楽しそうに話し続ける。


ああ、なんだか俺も楽しみになってきた。



「なあ風丸、絶対だぞ!」


「ああ、お前も忘れるなよ」



そう言ったところで、道は曲がり角にさしかかった。

俺は右で円堂は左に曲がらなければならない。


俺は無意識に歩く速度を緩めて、隣を歩く円堂を見た。

円堂と視線が合う。


ここまでだ、そう言ったような気がした。



そして二人同時に後ろを向いて歩きだした。



いろんな思いが溢れ出してくる。

ありがとう、大好き、お前とサッカーできてよかった。


また一緒にサッカーやろうな!





「じゃあな!」

「またな!」





****


卒業ネタ。

みんな同じ高校行くとは限らないよねっていう妄想。


でもこの二人は近所に住んでると思うし、そんな会えないってことはないよね

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